錦鯉・渡辺隆「M-1に向けてという感じじゃなかった」絶望と諦めの向こう側にある光
#M-1 #錦鯉
祝・錦鯉2年連続M-1決勝進出! 準決勝進出が決定した段階で行われたこのインタビューにも、今の錦鯉の強さの一端が垣間見える。M-1決勝出場最年長記録を「鳥人セルゲイ・ブブカ方式」で塗り替え続ける長谷川雅紀と、多くの芸人から「ネタ、トーク、大喜利なんでもいける」オールマイティ芸人と称えられる渡辺隆。2人が出会い誕生した錦鯉が芸人界に起こした「逆襲」のすべてが綴られた『くすぶり中年の逆襲』(新潮社)の発売を記念して、錦鯉のツッコミである渡辺にスペシャルインタビューを敢行。絶望と諦めの向こう側にあった光とは。
ーー『くすぶり中年の逆襲』拝読しました。すごく面白かったです。お2人の掛け合いで展開されていくのでさらっと読めちゃうんですけど、重たい話も結構されていますよね。
渡辺 そうですね。こんだけ生きてりゃなんかあるだろっていう(笑)。
ーー錦鯉さんがM-1に出られて、ブレイクされて。中年の希望の星として期待される一方で、その活躍の罪深さというのもありますよね……。
渡辺 (笑)。
ーー芸人を諦めさせる一面もあったM-1が、錦鯉さんの活躍でそれもままならなくなってしまった。
渡辺 それはたまに耳に入ってきますねぇ(笑)。うちの事務所なんて顕著ですからね。中途採用といえば聞こえはいいけど、どっかの事務所を辞めた奴らの寄せ集めでやってる。それが僕ら世代ばっかりなんですよね。いやでもそこはこっちからしたら「しらねぇよ」という……好き勝手生きろよとしか言えないんでね。
ーー好き勝手生きてきた結果、今の錦鯉がある。
渡辺 そうですね。でもほんとそんな大層なことじゃないんですよね。ただだらだら続けてきた、本当にそれだけなんですよね。
ーー本を読むと錦鯉さんにあまり「欲」を感じなくて、たとえばお金持ちになりたいとか、テレビで冠番組を持ちたいとか。それより「人を笑わせたい」というピュアな情熱のほうが強いんだなと。ファンタジーみたいな。
渡辺 そうとってもらえたら大変ありがたいですね(笑)。(長谷川)雅紀さんが中身は「少年ジャンプ」(集英社)の主人公のような人なので。外見だけおじさんになっちゃった。見た目は大人、中身は子どもの「逆コナン」なんですよ。
ーー詳しくは『くすぶり中年の逆襲』を参考に……ですが、雅紀さん、弟さんのパソコンを勝手に売り払ったり。
渡辺 そうなんですよ。おかしいじゃないですかあんなの(笑)。本では会話調で書いてますけどあれ普通に文章で書いたら猟奇事件の犯人のエピソードですから。しかも車で売りに行ってるんですよね。だったらその車をまず売れよっていう。
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