「この時代のスタイルは俺たちで完成させたい」 シシガシラと大コンプラ時代の新しい“ハゲ漫才”
#お笑い #インタビュー #シシガシラ
この世代のハゲ漫才は、シシガシラが全てやり尽くしたい
──ただ、お笑いのネタでやっているいじりを現実のコミュニケーションにそのまま持ち込むと、モラル的な問題が生じてしまうこともあると思います。それに対して、お2人が「ハゲネタ」をやる上で意識されていることはありますか?
脇田:僕たちがやっている「ハゲネタ」の特徴として、他の人が真似しづらい、実生活に落とし込みにくいというところがあると思うんです。というのは、さっきお話ししたように、僕らがやっているのは「ハゲ」という素材をいじるというより、とあるシチュエーションの中に「ハゲ」がある、っていうネタだからで。
浜中:もちろん、真似しやすいっていうのも芸人のネタとしてひとつの魅力的な要素です。その一方で、僕らのやっているものみたいに、漫才の中だけで完結できる「ハゲネタ」というのも、大事なのかもしれない。
──ハゲネタを扱いつつ、掛け合いの妙で笑わせるというのがシシガシラさんの「ハゲ漫才」の魅力ですよね。具体的には、どんなテクニックを使っているのでしょう……?
脇田:う~ん、ロジックを使って「ハゲネタ」をやっているというのが大きいんじゃないかと思います。
浜中:そうだね。掛け合いでミスリードをさせてから、ボケに持っていくようなやり方なので、論理立ててネタを作ることが必要になってくる。そのために、掛け合いは一言一句を丁寧に選ぶようにしています。そうすることで、きれいなやり取りのあとに聞こえてくる「ハゲ」って言葉がより際立つようになるので。
脇田:僕らは2人とも先輩コンビの囲碁将棋さんが大好きなんですが、囲碁将棋さんもロジカルなネタ作りをやっていらっしゃるんですよね。その憧れの気持ちがあるから、今のスタイルになっているのかな。
──そういうこだわりが、シシガシラならではの職人的な「ハゲネタ」へとつながっているのですね。だからこそ、同業者からも支持が集まるのではないかと感じます。
脇田:本当にありがたいです。芸人は単純にネタが面白いか面白くないか、笑えるか笑えないか、厳しいけどある意味フラットな目で見てくれますね。それは、劇場に通ってくれるようなコアなファンの方々もずっと同じで。
浜中:千鳥の大悟さんは、「お前らずっとそれで行け!」と言ってくれました(笑)。
──最後に、シシガシラとしては今後、どういった方向でネタを展開していこうと考えていますか?
脇田:「ハゲ漫才」は昔からずっとあるもので、ストレートに「ハゲ」をいじるというのはもうやり尽くされているような気がするんです。トレンディエンジェルさんやギャロップさんとかの大先輩たちが新しい「ハゲ」のスタイルを開拓したことで、「ハゲ漫才」がはっきりと次のステージに進んだと思うんですね。で、そういう世代に僕らもいて。
浜中:うん。だから理想としては、僕ら世代の「ハゲ漫才」は、シシガシラが全てやり尽くしてしまいたいなという気でいます。そうすれば、次の世代の「ハゲ芸人」は、嫌でもさらにその先のステージに進まざるを得なくなるじゃないですか。
脇田:僕が着てるスーツの裏地には、「俺が最後のハゲ芸人になる!」って気合いを込めて、「Last of Bald」っていう刺繍を入れてるんです。でも、直訳すると「ハゲの最期」っていう意味になっちゃうらしいんですけど(笑)。でも本当にそれくらい、今の時代にできる範囲内での「ハゲ漫才」のスタイルを、シシガシラで完成させたいと思ってるんです。
【絶賛配信中!!】シシガシラのピピパピパ放送局
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事