ニューヨーク、松本人志に雪辱なるか?『M-1』2021敗者復活も超実力派ばかりに
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開催が目前に迫った、漫才の頂上決戦『M-1グランプリ2021』(ABC・テレビ朝日系)の決勝。今回は、オズワルドとインディアンスが3年連続、錦鯉が2年連続で勝ち上がり、ゆにばーすが3年ぶり3度目のファイナル進出。真空ジェシカ、モグライダー、ロングコートダディ、もも、ランジャタイが初めて大舞台に立つ。
12月2日のファイナリスト発表を受けて、審査員・松本人志(ダウンタウン)は自身のTwitterで「M-1。なかなかの波乱やな。」と投稿。このツイートのなかには、優勝候補や決勝進出を有力視されていたコンビが準決勝で敗退したことへの驚きも込められているだろう。
ただ、『M-1』には決勝当日、準決勝敗退組を対象におこなわれる敗者復活戦がある。第2回の2003年大会より実施されているこの敗者復活戦は、数々のドラマと波乱を巻き起こしてきた。毎年、優勝予想に「敗者復活組」が上位にあがるほど、同枠の存在は侮れないものとなっている。
なぜ準決勝で一度破れたにも関わらず、決勝へ進んで結果を残すことができるのか。大きな理由は「勢い」だろう。
決勝の舞台は、視聴者ですら緊張が走るもの。芸人たちのそれは計り知れない。特にファーストラウンドで披露する1本目の漫才はプレッシャーがのしかかる。そんななか敗者復活組は、敗者復活戦でパフォーマンスを一度おこなっており、いわゆる「からだが温まっている状態」になっている。しかも敗者復活戦を見届けた観客の思い入れ、敗戦した芸人たちの「自分たちの分まで頑張って欲しい」という後押しもある。その勢いに乗って決勝へ足を運べるのだ。
2017年大会より、決勝のネタ順をその場で決める抽選方式「笑神籤(えみくじ)」が出来上がった。だが、それ以前までの大会では、敗者復活組が決勝9組の1本目のネタ後に漫才を披露していた。『M-1』はトップバッターが不利とされ、後半になるにつれて笑いや熱気が上昇する傾向にあると言われている。その点で第12回大会までは「敗者復活組が有利ではないか」とささやかれてきた。
07年大会で敗者復活戦から優勝まで駆け上がったサンドウィッチマンも、書籍『M-1 完全読本 2001-2010』(12年/ヨシモトブックス)のなかで、「(敗者復活から)選ばれるのは大変」としながら、「会場は温まってるし、トップバッターを引くんだったらよっぽど敗者復活から行ったほうがいいですよ。ネタも一本やってこれますし。M-1を勝つポイントは、敗者復活。一回負けることです」と冗談も交えながら、その利点を口にしている。
「笑神籤」以前は、敗者復活が開かれた11回のうち、ファイナルラウンドへ進んだのは何と8組。優勝はサンドウィッチマンとトレンディエンジェル(2015年)の2組。またアンタッチャブルは2003年大会で3位となり、翌年大会は優勝を飾った。一方「笑神籤」制度ができて以降、敗者復活枠の結果はスーパーマラドーナ、ミキ、和牛が4位、インディアンスが7位。決勝進出者はまだ出ていない。
しかし今回の21年大会は「敗者復活組でもうひとつの決勝戦ができるんじゃないか」と言われるほど豪華メンバーが揃っていることから、下克上の機運が高まっている。
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