HBO『スポーツ国家の不条理』米国スポーツ界の根底にあるマイノリティの劣悪な環境
#アメリカ
BLMに反感を示した議員vs怒る選手たち…選挙の結果は?
次なる戦いは2020年の上院議員選挙。社会正義と社会的弱者のために戦うというワーノックを当選させるしかない。地盤と資金で劣る彼をどうやって?
WNBAの選手たちは、同じメッセージが書かれたシャツを着た。
「ワーノックに投票を」
移動の時に必ず着るのでメディアの記事には、同じメッセージが写りこむというわけだ。レフラーがオーナーであるアトランタ・ドリームの選手まで着てるので、彼女が苦虫を噛み潰したような顔をしているのが痛快。
それだけでなく選挙ボランティアに参加し、ほかの活動家らと結託して「ワーノックに投票を」運動を推進するWNBA。その結果は?
約4万票差の大接戦を制してワーノックが勝利! ジョージア州初の黒人上院議員が誕生。敗れたレフラーは持ち株を売却して、オーナーから退いた。新オーナーは元選手の黒人女性。歴史は動いた! レフラーはこの後、選挙キャンペーンに2370万ドル(約24億4000万円)を投じたのに負けたとか、コロナショック前に持ち株を売却していて、インサイダー疑惑が取りざたされるなどさんざんなことに。
『スポーツ国家の不条理』は、アメリカスポーツ界の根底にあるマイノリティたちが置かれる劣悪な環境の実態をとりあげたドキュメントだが、こういう作品って大抵、声を挙げても問題点が改善されないまま徒労だけが残る結末になるところ、「声を挙げれば変わることもある」ことが示されている。
これ、アメリカだけじゃなくて日本にもあるような問題だと思うけどなあ。
日本だってスポーツ選手が政治的な発言したら「選手はスポーツだけやってろ」とか言われるし、メダリストがバラエティ番組でレスリングの技かけられて骨折させられたりして到底、スポーツ選手とは思えない扱われ方で選手のほうも無気力にされている。東京オリンピック開催前に、コロナ対策に疑問が残ることから開催中止が囁かれてるときに「どうせ言っても変わらないから」なんて堂々とメディアに向けて発言した選手もいたぐらいだから。
そんなことないって! 団結したら変わることもあるって!
筆者が応援していた阪神タイガースが優勝を逃したのもきっと、声を挙げないせいだからだな! タイガース・ライブズ・マター!
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