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「カンボジアで強まる独裁」フン・セン首相は日本の安倍元首相を例にあげ批判回避

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フン・セン首相と安倍晋三元首相(写真/GettyImagesより)

 1985年1月に32歳で政権トップに立って以来、36年以上の長きにわたり首相を続けるカンボジアのフン・セン首相は2日、南西部のビーチリゾート、シアヌークビルで演説し、長男でカンボジア王国軍副司令官兼陸軍司令官のフン・マネット中将(44歳)を後継者に指名すると発表した。

 フン・セン首相は演説で「私は今日、息子を次期首相にすることを全面的に支持すると宣言する。しかし、これは選挙の洗礼を受けなければ意味がない。(国民の)投票で決めなければならない」と述べた。また、欧米の人権団体などから上がる世襲批判に対し、フン・セン氏は祖父が岸信介元総理大臣、父が安倍晋太郎元外務大臣だった安倍晋三元首相の例を挙げ「安倍晋三元首相の祖父(岸信介は1957年にカンボジアを訪問)も総理大臣でカンボジアを訪問した。安倍さんのお父さんは外務大臣で、安倍さん自身も総理大臣だった」と述べ、特段目くじらたてることではないとした。

 フン・セン氏には6人の子どもがいたが現在、フン・マネット氏を含む3人の男子と2人の女子が健在だ。次男のフン・マニット氏は陸軍情報総局局長、3男のフン・マニーは国民議会議員で政権与党・カンボジア人民党の青年運動部門の総括責任者を務めるなど、それぞれに要職を務める。が、かねてから、カンボジア人として初めて、米陸軍士官学校ウエスト・ポイントで学んだ長男のフン・マネット氏が本命視されてきた。

欧米受けする華麗なる経歴、常に本命視されてきた長男フン・マネット氏

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米ニューヨーク州ウエスト・ポイントの陸軍士官学校卒業式に出席したフン・セン首相と(写真前列左)と長男のフン・マネット氏(同右)(1999年5月29日撮影)

 マネット氏は同陸軍士官学校卒業後、ニューヨーク大学で経済学修士号を修め、英国のブリストル大学で経済学の博士号を取得した。

 帰国後、カンボジア王国軍に入ったフン・マネット氏は2013年6月に陸軍中将になるなど異例の出世を果たした。

 18年4月には外務省の戦略的実務者招へいプログラムで来日。当時の安倍総理大臣、河野外相、小野寺防衛相とも会談し、内外にカンボジアの次期リーダー候補の筆頭格であることを印象づけた。

 米陸軍士官学校で学んだことに加え、12年11月にオバマ氏が米大統領として初めてカンボジアを訪問した際には警備担当の責任者を務めたこともあって、フン・マネット氏は米国側の受けも良い。19年4月、ハワイのホノルルで開かれた、米軍主導の太平洋地域特殊作戦会議にもカンボジア代表として参加している。

 ウエスト・ポイントでフン・マネット氏の2学年上で共に学んだ上級生の一人は「一部の人は彼がカンボジアの首相の息子であることは知っていたが、本人はそれをひけらかすこともなく、何にでも一生懸命に取り組んでいた」と当時を振り返る。

 父親の威光ゆえに若くして将官になったフン・マネット氏だが、カンボジア帰国後は政治からは距離を置き、ひたすら職業軍人としての道を歩んできた。

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