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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 麒麟川島、笑い飯西田の“声”と笑いの考察

「おもろいことを言う人の声やねん」麒麟川島、笑い飯西田の“声”と笑いの考察

松本人志「おもろいことを言う人の声やねん」

 漫才やコントなどをお笑い芸人が“真剣”に語るバラエティ番組の企画が増えて久しい。増えたといっても、深夜帯が中心だけれど。

 で、そういった芸談のなかでよく聞かれるのが、芸人の声についての評価だ。この芸人の声はよく通るとか、このコンビはそれぞれの声のバランスがいいとか。博多大吉がよくそういったコメントをしているような印象がある。たとえば、サンドウィッチマンについて大吉はこう言っていた。

「お互いの声質があんなにピシャリあうコンビっていないですよね。伊達ちゃんのツッコミってずっと残るんですよ。そのかわり富澤くんのボケはどんどん消えていくというか、常に新しい状態で笑ってられるのがサンドウィッチマン」(『アメトーーク!』テレビ朝日系、2019年9月26日)

 今回の『IPPONグランプリ』でも、そんな“声”についてのコメントが聞かれた。「写真でひと言」のお題が出たときのこと。赤ちゃんが1本指を掲げている写真に対し、西田幸治(笑い飯)は「1分だ。1分あれば、立って歩いてやる」と答えた。見事に1本を獲得。この西田の大喜利に、松本人志がこうコメントした。

「声もええねんなぁ。おもろい声やねんな。おもろいことを言う人の声やねん」

 西田への同様の評価は、同じ週、3日の『千原ジュニアの座王』(関西テレビ)で千原ジュニアからも聞かれた。『座王』は大喜利やモノボケ、ギャグなどで芸人たちが競い合う番組だが、そんな番組で笑い飯・西田はすでに50回以上の優勝に輝いている。つけられた異名は「座王の鬼」。この日はスペシャル版として、そんな“鬼”こと西田の過去のネタだけを集めた総集編が放送されていた。

 大喜利のVTRが流れていたときのこと。お題は「ドラえもんは何と答えた? 『あなたにとってプロフェッショナルとは?』」。これに西田は「そりゃ藤子先生だよ。鬼滅のナントカは僕は認めてないんだ」と回答したときのこと。少しドラえもん(大山のぶ代バージョン)の声に寄せつつも、嫌らしい感じの声で回答を読み上げる西田。VTRを見ていた千原ジュニアはこう言った。

「声もええのよなぁ、西田。夜のドラえもんあったら、声優は西田がええなぁ」

 基本ベースが「おもろいことを言う人の声」であり、かつ、ネタに合わせて声色を使い分けたりもする。その使い分けた声も的確。視聴者が見ているときにネタの内容より先に情報として入ってくるのが、声だったりするのだろう。その声で瞬時に「おもろいことを言う人」と察知させた上で、実際に面白い回答がなされたのなら、それはもう確実に面白い。こちらの鬼は、「鬼滅のナントカ」の鬼とは違って死角はない。

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