片寄涼太純度100%! どこにも忖度なしに言葉を編み上げた「往復書簡」
#片寄涼太
文章では空気を読まなくて良いからこそ、より素の自分が込められた
――もともとすごく言葉に興味があって、その選び方だったりそこから生まれる感情だったりに考えをめぐらせるタイプだ、と本書で書かれていました。その感覚は昔からですか?
片寄 ちっちゃい頃の男の子って、好きな女の子に思ってないことを言ったりして意地悪することがあるじゃないですか。それが「なんでなんだろう」って僕は理解できなかったんですよね。「好きならなんで好きって言わないの?」って。多分そこから「人は結構、思ってないことを言ってるぞ」って考え始めたんですよね。僕自身はあんまりそういうことをしないタイプなんだと思います。
言葉に別の意味を含みたくない、すべて嘘なく、勘違いされないように言いたい。そう意識するようになりました。この業界に入ってからもそこは変わってなくて、その積み重ねがこういう文章になったのかなと思ったりしますね。今さらながら、その話も書けばよかったなって。
――お仕事においては、演技や歌で人が書いた言葉を口にすることもあれば、バラエティやライブのMCなど自分の言葉でしゃべる場面もあります。今回、自分で書くという経験をしたことで、言葉というものへのとらえ方が変わる部分はありましたか?
片寄 文章では比較的空気を読まなくてよかったからこそ、忖度なしにいろんなことを書けたんだろうなと思います。普段自分の言葉でしゃべる場面でも、たとえばライブのMCは流れもあるしファンのみなさんの雰囲気もあるし、そこで空気を読む部分があります。それは絶対必要なことなんですよね。バラエティも、短くしゃべらないとコメントとして使われなかったり、自分のテンポで話すことは難しい。今回、自分で考えて自分の言葉を組み上げるのはすごく楽しかったです。
――本書は小竹さんとの往復書簡という形式でしたが、完全にテーマがフリーのエッセイとなるとまた違った経験になりそうですよね。何か書いてみたいという思いはありますか?
片寄 サイゾーさんでありますか、可能性は?
編集 ……あります。
片寄 なんですか、今の間は(笑)。
<プロフィール>
GENERATIONS from EXILE TRIBEのボーカル。2012年にデビュー。14年にドラマ『GTO』(カンテレ制作)で俳優デビュー。ドラマ/映画『兄に愛されすぎて困ってます』『PRINCE OF LEGEND』映画『午前0時、キスしに来てよ』ドラマ『3年A組-今から皆さんは、人質です-』(日テレ系)『病室で念仏を唱えないでください』(TBS系)などに出演し、俳優としても活躍の場を広げている。GENERATIONS、26枚目のシングル「Unchained World」が発売中。
『ラウンドトリップ 往復書簡』(新潮社)
片寄涼太・小竹正人/1650円(税込)/発売中
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