『ミラノサンドA』歌うアーティストxiangyuとコーヒーショップの愛の交歓
#音楽 #インタビュー #外食 #ドトール #xiangyu #あの人と外食
ドトールでブレンドを飲んでいたある日、店内BGMでこんなフレーズの曲が聴こえてきた。
やなこと全部けすよ スワイプ
行き着く先駅前 ドトール
ミラノサンドと やっぱブレンド
一気に流し込み始まる今日
気になって思わず調べてみると、今年5月にアーティストのxiangyu(シャンユー)がリリースした、その名も『ミラノサンドA』という楽曲とのこと。しかもこの曲、リリース後にドトールが逆オファーして店内BGMになったという、ユニークな背景があるようだ。
xiangyuは、ドトールを「第2の部屋」と思っているらしい。『ミラノサンドA』は、どのようにして生まれた曲なんだろう。xiangyuにインタビューを行い、楽曲にまつわるストーリー、そしてドトールで過ごすひと時に込める彼女の想いについて聞いた。
ドトールの社員がたまたま聴いていた『ミラノサンドA』
──当初は非公式ソングだったという『ミラノサンドA』ですが、どのような経緯で店内BGMとして流れることになったのでしょうか。
xiangyu:『ミラノサンドA』のリリース後、ありがたいことにラジオなどでいっぱい曲をかけていただきました。それがドトール本社の方の耳に入ったことがきっかけで、お声をかけていただいたんです。楽曲制作中は、ドトールの“中の人”に聴いていただけるなんて考えてすらいなかったので、「こんなことあるんだ!」って本当にうれしくて。両手でガッツポーズしてしまいました(笑)。
──この曲がドトールの店内で流れるようになってから、どんなリアクションがありましたか?
xiangyu:知り合いからは、「今ドトールにいるけど、曲流れてる!」と連絡が来たりしますね。あと、Instagramで私をフォローしてくれている方々が、ドトール店内で写真を撮って、私のことをタグ付けした投稿をアップして「ドトール来ました」報告をしてくれるんです。「いつもはミラノサンドBだけど、xiangyuの曲を聴きすぎて今日はミラノサンドAに浮気しちゃった」とか。めっちゃ面白いですよ。
──タイトルの「ミラノサンドA」もそうですが、歌詞に登場する「ブレンド」も、xiangyuさんのドトール定番メニューなのですか?
xiangyu:はい。私はとにかくブラックコーヒーが好きで、一日にものすごい量を飲むんですけど、それだと濃すぎても飲み続けられないし、薄すぎても物足りなくなってしまうんです。で、これは全然、ドトールに対して媚びを売っているわけじゃなくて本心なんですけど(笑)、個人的にはドトールのブレンドが一番ちょうどいい濃さなんですよ。店内で本を読んだり作業をしたりするぶん滞在時間も長いので、何杯も飲むとなるとこの濃さが重要なんです。
──ちなみに、他にお気に入りのメニューってあったりしますか?
xiangyu:いやー、本当にいっぱいありすぎて。シーズンごとに新メニューが出るのも楽しいんです。毎年、冬になるとローストビーフのミラノサンドが出るのも楽しみなんですよね。でも結局、原点のミラノサンドAに戻る、みたいな(笑)。
──xiangyuさんの“ドトール愛”がひしひしと伝わってきます。でも、何がきっかけで『ミラノサンドA』という曲を作ろうと思い立ったのでしょうか。
xiangyu:コロナ禍の状況がきっかけになって生まれた曲だと思います。ライブができなくなったりと音楽活動にも制限がかかって、時間の余裕が生まれてしまっていたなかで、周りのアーティストの友達は「制作がはかどった」と言っていたんですけど、私は全然そうじゃなくて。どうやら自分は、外から受けた刺激を創作に活かすタイプなんだな、とそこで気づいたんですよね。
自粛中は、家の中でひたすらボーッと過ごすみたいな感じだったんですけど、SNSを見るといろんなアーティストがリリース情報を発信していたりして、「私は一曲もできてない……」と不安になることが多かったです。
そういった状況下で、ひとりでとぼとぼ散歩していても、ドトールって大体の街にあるじゃないですか。そこへ入ってとりあえず一杯のコーヒーを飲むことで、なんとなく自分のリズムを取り戻すことができたんです。一見、なんでもない日常の一コマですけど、私にとってはそれが大事な心の支えでした。で、コーヒーを飲んでるうちに、また表に向けて何かを発信しようというマインドに切り替えられていって。そんなタイミングでこの曲を書いたので、自分の生活について綴っているうちに、ドトールで過ごす時間のことが自然と歌詞に表れたんだと思います。
──『ミラノサンドA』のMVでは、Googleストリートビューで全国のドトール店舗を巡るバーチャルロケが行われていました。コロナ禍の影響がポジティブに昇華されていますよね。こうしたユニークな試みは、監督の松田瑞季さんとのディスカッションによって生まれたものですか?
xiangyu:そうです。実はMVの打ち合わせも、ここ(渋谷)のドトール店内でやったんですよ(笑)。松田さんは写真家で、Googleストリートビューに映り込んだ人のファッションをストリートスナップとして収集するインスタアカウントを運営していて。前々から「すっごく面白い作品を撮る方だな」と思っていたので、DMを送ってお願いしたんです。そしたらなんと松田さんもドトールがお好きで、『ミラノサンドA』の音源を聴いてもらったら、すごく気に入ってくれて。松田さんは映像作品はこれが初めてとのことでしたが、引き受けていただけることになったんです。コロナ禍でなければ全国のドトール店舗を巡りたいくらいの気持ちだったんですが、松田さんのインスタがMVのアイデアにつながっていった形ですね。
──Googleストリートビューで確認できる範囲内のドトール店舗(国内793店舗、海外1店舗)がすべて映されているMVからも、並々ならぬ“ドトール愛”が伝わってきました。とはいえ、もともとこの曲はドトールをフィーチャーしようとしたわけではなく、自身の日常を表すなかで自然にドトールが登場した、ということでしたよね。
xiangyu:はい。私はよく、ドトールを「第2の部屋」と呼んでいるんですけど、それくらい居心地がいいし、生活の一部になっていると感じます。
お尻に火がつかないと制作とかなかなか始められないタイプなので、「ヤバい、そろそろやんなきゃ!」という時に、とりあえずパソコンとノートを持ってドトールに駆け込んだり。そうするとやらざるを得ないから(笑)。リラックスできつつ、スイッチが入る場所でもあるんですよね。
この曲のタイトルにあるミラノサンドAも、「今日の収録、頑張るぞ!」とか、「撮影だから気合い入れよう」という時に食べるとパワーチャージができるんです。
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