『関ジャム』関ジャニ∞新アルバム特集で感じた、ジャニーズ“サブスク全面解禁”の緊急性
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奥田民生や聖飢魔Ⅱばりの“空耳曲”がハイライト
7曲目の「YES」は、作曲・今井了介、作詞・いしわたり淳治という布陣で生まれた曲だ。この2人と大倉忠義が打ち合わせした際、いしわたりから「どんな曲が歌いたい?」と問われた大倉は「ファンと僕たちの関係性。恋愛でもあるし、一緒に歩んで行きたい」と回答。そこから導き出されたのは、プロポーズソングであった。「ファン」というワードからこの方向性へ行き着くのは、ある意味アイドルの究極形と言える。加えて、関ジャニのメンバーは全員がアラフォーだ。彼らが歌うプロポーズソングというのも、またかなりのリアル感がある。
実際に「YES」を聴くと、やっぱり今井作の楽曲だ。いい曲。あと、少し三浦大知っぽいか? いや、関ジャニに対しては「SMAPっぽい」という表現を使ったほうが適当かもしれない。CHAGE and ASKA「SAY YES」という偉大なラブソングがあるのに、「YES」というタイトルでプロポーズソングを作ったのも大胆不敵だ。
そして、このアルバムのハイライトは8曲目「町中華」。岡崎体育が作詞を担当した曲だ。実は『8BEAT』の歌詞カードを手に取ると、この曲だけ袋とじになっているらしい。歌詞に秘密があるのだ。
実際に曲を聴くと、英語詞を歌っているようにも思えるが、それでいてどこか違和感がある。何かを伝えようとしているかのような、それでいて何も意味がなさそうというか。
例えば、レコーディング時にメンバーは「k nore Qujit Should free curry」という歌詞を渡されて歌入れをした。実はこれ、「きのう俺休日出勤の振り替えで」という日本語に“空耳”するよう意図された文章なのだ。
「k nore Qujit Should free curry」→「きのう俺休日出勤の振り替えで」
意図を知らされないまま歌入れした丸山が、「何歌ってんの、これ(笑)?」と呆れ笑いをするほどの英文のメチャクチャさ。こういう“遊び曲”は昔からある。例えば奥田民生の「リー!リー!リー!」は、全編英語詞なのだが……
「I know duck you scroll on day luck you」→「あの打球すっころんで落球」
「Mool eat what they tie I can’t dead duck you」→「無理は絶対アカンで脱臼」
と、空耳するように歌詞が作られている。他にも、聖飢魔Ⅱの「不思議な第3惑星」は、
「Want some beat? Want some beat? Talk at a sheep, shallthe) bull leads to care?」→「わさび わさび 唐辛子 しゃぶりつけ」
といった具合だ。岡崎の楽曲「留学生」にも、
「You’re out a sight Yeah,hold me tight Why don’t you and me go home tonight」→「うるさい アホみたい ご飯出ない」
と、遊びが施されている。歌唱スタイルとして矢沢永吉的というか、桑田佳祐的というか、岡村靖幸的な発音に必然的になってしまう歌詞。イケてるサウンドとリリックのギャップがたまらないのが、「町中華」である。
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