ゆうこりんにDJ松永…芸能人が苦悩を語る「心の痛みをさらけ出しまショー」の時代
#小倉優子 #Creepy Nuts #DJ松永
テレビで涙を流す人を、やたらと目にするような気がする。
小倉優子が、「突然ですが占ってもいいですか?」(フジテレビ系)で占い師の村野弘味に、過去数年間の運気の悪さを指摘され、つらい思い出がフラッシュバックしたらしく、涙を流した。占い師によれば、2015年の引っ越しが「大凶転居」であり、19年の引っ越しも「最悪」だったとか。ゆうこりんも思い当たるフシがあるらしく、ハッと表情を変えた。19年の引っ越しの後、1カ月ちょっとで夫が出て行ってしまったという。いろいろな人から「今の家を離れた方がいい」と言われ、2021年に現在の住まいに転居したと言う。
小倉優子は、働きながら3人の男の子(!)を育てている。
子供時代に楽しい家庭に恵まれなかったゆえに、ただ楽しい家族が欲しかったそうだ。健気だ。しかしならばこそ、願いがままならない原因を「転居」と結論づけるよりも、掘り下げなければならない問題があると思う。
しかしゆうこりんは「楽しい家族を求めれば求めるほど、それが遠ざかってしまう」と吐露する。また、現在の住まいには、いつ夫が帰ってきてもいいように、夫用の書斎を用意しているらしい。ゆうこりんは自分なりに目一杯努力していて、思うように事が運ばない理由については、とんと見当がつかなく、それゆえに余計に苦しんでいるようだ。
DJ松永がマツコの前で号泣したわけ
Creepy NutsのDJ松永が、「マツコ会議」(日本テレビ系)に出演した際、マツコ・デラックスに日本のヒップホップの未来に対する憂慮を吐露するうちに涙を流した。さらにそれにつられてマツコまで涙をこぼす。ヒップホップの未来を語るうちに泣き出すなんて、本職のDJ松永だけでもなんだか素頓狂に感じたのに、マツコ・デラックスまで泣き出すなんて異様に感じた。
しかし、彼らが言っていることを私なりに要約すると、発言の言葉尻をとらえてネットが炎上し、それが発言主の人生に関わってしまうような社会で、人前に立つことの苦悩を語っていたようだ。それは苦しいだろう。すごいプレッシャーだ。でも、何も泣かなくても……。
なぜ「心の痛みをさらけ出しまショー」が人気となったか?
気がつけば「突然ですが占ってもいいですか?」や「あちこちオードリー」(テレビ東京系)のような、芸能人が苦悩を語る「心の痛みをさらけ出しまショー」が人気である。「体を張る番組」が消えていく反動で、自分の心の痛みをさらけ出す、言うなれば「メンタル・スタント」とでも言うべき、テレビ番組が増えているのかもしれない。
コロナ禍の社会状況下で、みんな不安を大きくしており、視聴者は人生相談の疑似体験がしたいということも、そうした傾向を後押ししているのかもしれない。さらにもっと言えば、視聴者は、「うまくいっている人の苦悩」に興味があるのだと思う。
いくらコンプライアンスや世間の目が厳しいと言ったって、エンターテイメントコンテンツで、草原に蝶々がひらひら飛んでいるような映像を流し続ける事はできない。ヒリヒリしてなきゃ誰も見てくれない。
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