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日刊サイゾー トップ > エンタメ  > ベトナムと日本つなぐ「あんかけ揚げめんフォー」
MARUOSAの「かた焼きそばのフィロソフィー」第11回

ベトナムと日本をつなぐ「あんかけ揚げめんフォー」のワンダーランド

ベトナムと日本をつなぐ「あんかけ揚げめんフォー」のワンダーランドの画像1
(以下、写真/小嶋真理)

 シュプリームのコレクションに楽曲を提供し、海外の有名音楽フェスに出演するなど、国内外で評価されてきた“エクストリーム・ミュージシャン”のMARUOSA。他方で“かた焼きそば研究家”としての顔も持ち、近年は『マツコの知らない世界』(TBS)や『新・日本男児と中居』(日本テレビ)、『たけしのニッポンのミカタ!』(テレビ東京系)といった地上波のテレビ番組にしばしば登場して注目を集めている。そんな彼が、驚愕の絶品・珍品に光を当てながら、かた焼きそばの奥深き哲学に迫る!

 

 緊急事態宣言解除。
 
 2020年4月7日に1度目が発令され、その後、幾度か回数を重ねたが、ようやく9月末をもって全都道府県で解除となった。臨時休業や時短営業に振り回され、なかなか思うように訪問できなかっただけに、このまま収束することを願わずにいられない。

 さて、今回は新たな「ニュータイプかた焼きそば」である。

 かた焼きそばという料理をざっくり分類するとすれば、日本国内の町中華や世界各国のチャイナタウンで食べられている比較的クラシックなタイプ、もうひとつは東南アジア~南アジアを中心に独自進化したニュータイプ。過去にインドやタイのかた焼きそばを紹介してきたが、それらはもちろん後者である。

 そして今回も、後者のニュータイプ側、しかも期間限定メニューらしい。思い立ったが吉日、現地に向かう。

 東急世田谷線に乗って上町駅へ。

 初めて乗車したが、下高井戸~三軒茶屋間を2両編成の軌道線がゴトゴト走る姿はどこかアンバランスで愛らしい。ただ、総路線距離がたったの5kmなので、余韻に浸る間もなく下車。

 そこから徒歩1分ほど、周りとは一線を画す異様に賑やかな外観が目印だ。

ベトナムと日本をつなぐ「あんかけ揚げめんフォー」のワンダーランドの画像2
 屋号にある「サイゴン」の名の通り、ここはベトナム料理を中心としたアジア料理店である。創業は1998年(平成10年)。決して人通りが多いとはいえないこの立地で20数年間も営業を続けているのは、根強いファンがたくさんいるからなのだろう。後から聞いたのだが、私の友人も学生時代によく通っていたそうだ。

ベトナムと日本をつなぐ「あんかけ揚げめんフォー」のワンダーランドの画像3

 店内は現地の食堂のような空間が広がっており、天井に吊るされている多数のランタンが美しくも懐かしい。しかも窓際の席からは、先ほど乗車した東急世田谷線がすぐそばをのんびり走っているのが見えるではないか。

 どうやら都会ではないどこかに迷い込んでしまったようだ。平日の昼下がり、時間と曜日感覚が麻痺しそうになりながらメニューを確認。

ベトナムと日本をつなぐ「あんかけ揚げめんフォー」のワンダーランドの画像4

 ベトナムといえば米麺、フォーである。

 そのフォーを、あろうことか揚げてしまったのが今回のニュータイプかた焼きそば「あんかけ揚げめんフォー」なのだ。ちなみに、日本全国にベトナム料理は数あれど、揚げフォーに出会う確率は限りなく低い。

 以前、中野の某ベトナム料理店で揚げフォーを提供しているという情報を見つけて勇んで出かけたが、すでにメニューから消えており、泣く泣く越南炒飯セットを食べた苦い思い出がよみがえる。

 あんかけ揚げめんフォーに限った話ではないが、森羅万象、自分の想いとは無関係に消えてなくなってしまうのが世の常なのだ。それは何十年後かもしれないし、明日なのかもしれない。今日という日は今日しかないのだ。

 幸いなことに、この料理は10月から5月末までの“季節”限定メニューとのこと。息巻く必要もなく、無事オーダーすることができた。

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