〈dj honda×ill-bosstino〉互いのプライドがぶつかり合う「混ぜるな危険」の行き着いた先
#ILL-BOSSTINO
アルバム制作のアプローチはBOSSからだった
――そこから、さらに今回のアルバムをやるまでの流れというのは?
BOSS KRUSHさんとhondaさんがゲストで出るパーティが札幌であって、俺も遊びに行ったんだけど、そこでhondaさんにも久しぶりに会って。朝方に結構飲んでて、その時に初めてhondaさんといろいろとしゃべることができて、そこで「来週、スタジオに来いよ」と言われ、翌週にはhondaさんのスタジオに行ったんだよね。そしたら、「すぐ録ろうよ」って言われて、「それじゃやりますか」でできた曲が今回のアルバムの「GREED EGO」で。プリプロのつもりだったんだけど、思っていたよりもすごいのができちゃって。hondaさんはすぐにミックスを始める人だから、その2時間後にはもう曲ができてて。「じゃあ、次は何をやる?」みたいな感じだった。
――なかなかすごい始まりですね。
BOSS hondaさんはボーカルの録りからミックスもマスタリングも、すべてひとりでやるんだけど、音の鳴りやボーカルのいじり方もすごい。俺の頭の中では、「いろんなプロデューサーと一緒にやってる曲の中の1曲」ってくらいに考えてたんだけど、hondaさんのミックスした音を聴いて、「それは絶対に違うな」と思って。「混ぜるな危険」ってこれだなと。これはアルバムしかないな、ってその時に決めた。それからエンジニアさんなんかも含めて、今まで一緒にやってきた人たちは全部俺が統括していたんだけど、今回はhondaさんに任せてみようと。もちろん「ここはこうしてほしい」とか、hondaさんが嫌になると思うくらい口を出したけど(笑)、基本はお任せで。それをやってみたかったし、純粋に面白そうだなとも思った。
――すると、hondaさんにアルバムを作りましょうと提案したのはBOSSから?
BOSS そうだね。hondaさんも「全然いいよ」って。けど、あの人は俺とアルバムを作っているときでも、「一体、何人のアーティストと曲を作ってるんだ?」っていうくらい、昨日も明日も制作してる。俺がレコーディングしてるときに他のラッパーが来ていることもあったし、俺とアルバムを作っていても、毎日「それだけに集中する」って頭は全然なくて、来たやつを録るみたいな。そういう人だから、俺がやる気にならないと動かない。でも、「来るならいつでも録るぞ」っていう感じで。
――THA BLUE HERBやソロアルバムなんかでも、今まではリリックとビートが同時進行という話でしたが、今回の作り方は全然違っていたわけでしょうか?
BOSS そうだね。山のようにあるビートの中から好きなのを選んで、それに合わせてリリックを書いて録るっていうか。でも、そのうちhondaさんがスタジオでネタを探して、組み出して。俺も同時にリリックを横で用意して録るっていうこともやるようになって、(アルバムの)3分の1くらいはそうやって録ったね。
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