小室圭さん、眞子さん「ニューヨーク77枚の写真」のネタ元は“関係者”か
#週刊誌スクープ大賞
「バブル」と「細木数子の周囲」で踊った面々
さて、寺尾文孝という人が書いた『闇の盾』(講談社)が少し話題になっていたので、図書館で借りて読んでみた。
彼は警視総監から政界に転じた秦野章元法務大臣の秘書のようなことをやっていて、その後政界や芸能界の人間たちのリスクを守る会社をやっている人物のようだ。
多くの黒幕や暴力団などが登場し、イトマン事件などで踊ったバブル紳士たちの姿が書かれている。
私は秦野章も多少袖すり合っている。本の中に出てくるフィクサーといわれた人たちの3分の1ぐらいは知っているし、中には、月に1度、酒を呑んでいた人間もいる。
これを読んでいて、オレもずいぶんブラックな人間たちと付き合ってきたなと感慨深いものがあった。
それはさておき、本の中にも出てくるが、元阪神タイガースのピッチャーで、「ベンチがアホやから」といって辞めた江本孟紀が、女相場師として一時名を馳せた「尾上縫」の店に顔を出し、彼女に可愛がられていたという。
バブルが終わる直前の1991年8月13日、有印私文書偽造などの容疑で、料亭「恵川」の女将・尾上縫が大阪地検特捜部に逮捕された。
結局、日本興業銀行を含め、5年間で尾上に貸し付けられたカネは2兆7736億円にもなった。
バブルを象徴する事件であり、天下の興銀が崩壊するきっかけになった事件でもあった。
江本は、尾上に可愛がられ、自身の出るトークショーのチケットを大量に買ってもらったり、テレビの取材を承諾してもらったりと、ずいぶんいい思いをしたようだ。
何の魅力もない61歳のおばさんに、興銀を始めとする大銀行が湯水のようにカネを貸したのは、彼女の色香ではなく、バブルという狂った時代がそうさせたのだろう。
バカな時代、バカな人間たちのバカ踊りであった。
細木数子のことを、文春も新潮もやっているが、私が先週書いた以上のことは出ていない。
バブルが終わりイトマン事件に関わったブラックたちが退場する直前、先の尾上縫が逮捕されるが、その後に出てきた、良い言い方では女傑、言い方を変えると悪女の一人が細木であった。
島倉千代子の「後見人」となり、彼女のギャラをかすめ取り、安岡正篤の「後妻妻」になろうと画策し、見よう見まねで覚えた占いで人心を惑わした。
テレビで売れていた頃の彼女に会ったことはないが、もし会ったら、こういったのではないか。
「テレビなんてちょろいものよ」
朝青龍や格闘技の魔裟斗を贔屓にし、信者たちにはカレンダーや墓石を買わせ、文春によれば、年収は24億円もあったという。
安倍元首相は、世の中の景気がよくなり、金持ちが儲かれば、貧乏人にもトリクルダウンしてくる、おこぼれに与かれるといったが、私のところには一滴も落ちてはこなかった。
細木が、口車で儲けたあぶく銭を、ボランティアや困っている人たちを救う事業に投資していたら、死後もこれほど週刊誌などにいわれることはなかったはずである。
周りに人がいなかったのだろう。
人間の評価は棺を覆ってから決まるといわれる。
まあ、現世でいい思いをたっぷりしたから、彼女に思い残すことはないだろうが。
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