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大谷翔平、MVPの次に目指す日本人未踏の地…イチローも松井も獲れなかった“メジャー最高の栄誉”

大谷翔平、MVPの次に目指す日本人未踏の地…イチローも松井も獲れなかったメジャー最高の栄誉の画像1
大谷翔平(Getty Images)

 今シーズン、打者としても投手としても活躍した大谷翔平(エンゼルス)が、日本人ではイチロー以来2人目となるメジャーリーグのMVPに選ばれた。大リーグ4年目となる2021年、大谷は投手として9勝、156奪三振という見事な数字を残す一方で、打者としては46本塁打、100打点を記録。さらに盗塁数も26を数え、満票でMVPに選ばれた。

「シーズン終盤、MVP候補に大谷の名前が挙がる中で、タイトル獲得にはいくつかの不安要素がありました。ずっとトップを走っていたホームラン数はペレスとゲレロJr.に抜かれ、打率も2割5分台だったこと。さらに、投手として勝ち星が2ケタに届かなかったこと。そしてチームが優勝争いから早々に脱落し、地区4位だったことなどを理由に、MVPには値しないというシビアな意見も一部にはありました。

 しかし、フタを開けてみれば満票を獲得。大谷の個人成績が素晴らしかったことは言うまでもありませんが、メジャーは未知なる挑戦をした者を称賛する傾向がとりわけ強く、不可能と思われた二刀流を、シーズンを通して貫いたことが最大の受賞理由でしょう」(週刊誌運動記者)

 これまで日本人メジャーリーガーでは、野茂英雄が新人王を獲得したのを皮切りに、イチローがMVP、首位打者、盗塁王、松井秀喜がワールドシリーズMVP、ダルビッシュ有が最多勝を受賞。ホームラン王、サイヤング賞、最優秀防御率、打点王、セーブ王など、日本人が獲っていないタイトルはまだいくつもあるが、大谷にはぜひとも目指して欲しい“メジャー最高の栄誉”がある。

「アスリートの価値が成績だけなら、大谷が獲ったMVPが最も名誉ある賞なのは間違いありません。ですが、メジャーリーグでMVPと並ぶ、もしくはそれをも上回る賞とも言われるのがロベルト・クレメンテ賞です。この賞は、慈善活動を積極的に行った選手に贈られます。賞の名前は1972年、慈善活動中に飛行機事故で亡くなった名選手の名前を冠したもの。グラウンドを離れても社会に影響を与える存在として、受賞者は圧倒的な賞賛を浴びます。

 この賞と日本との関わりをたどれば、かつてメジャーに挑戦した桑田真澄は、行き先をパイレーツに決めた理由としてロベルト・クレメンテの名前を挙げました。桑田は、自分が慈善活動に勤しむきっかけを与えてくれたクレメンテに憧れており、いくつもの選択肢の中から、彼が在籍したパイレーツを選んだのです。ロベルト・クレメンテ賞は毎年、各球団から1人が候補に選ばれますが、日本人選手は候補にすらなっていません。狙って獲るような賞ではありませんが、大谷にはさらなる高みを目指して欲しいです」(スポーツ専門誌ライター)

 MVPはゴールではなく通過点……大谷なら、きっとやってくれるはずだ。

石井洋男(スポーツライター)

1974年生まれ、東京都出身。10年近いサラリーマン生活を経て、ライターに転身。野球、サッカー、ラグビー、相撲、陸上、水泳、ボクシング、自転車ロードレース、競馬・競輪・ボートレースなど、幅広くスポーツを愛する。趣味は登山、将棋、麻雀。

いしいひろお

最終更新:2021/11/20 11:00
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