『ねほりんぱほりん』マイ宗教で“神様”名乗る母、子の苦労「親を殺す、殺さないのレベルで悩んで」
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誕生日に欲しかったのはケーキ。「スペシャルな修行」ではない
大学進学後、アヤさんは精神的に病んでしまった。すると、当時の彼氏がアヤさんを精神科に連れて行き、そこから1年間、徹底的に治療を受けることに。
「そこで幼少期の記憶を全部話して。『あれがつらかった』『これが嫌だった』って話を医者が聞いてくれて、精神的にかなり回復したっていうのが大きいですね」(アヤさん)
アヤさんの親ガチャははずれだった。けれど、彼氏と精神科の先生には恵まれた。偶然と他人との縁で、アヤさんは生き長らえたのだ。親元を離れ、心のケアをしてもらえる環境に逃げることができた。家庭環境の問題は、踏み込んでくれる第三者の存在が大切である。
精神科で幼少期の記憶を出すときは、アヤさんのお絵描きに医師が付き合い、そこで望みを聞いてくれたという。「アヤちゃんは何をしたいの?」と聞かれたアヤさんは、そのとき子どもになっていた。彼女の口から出たのは、「ママに会いたい」という言葉であった。
「それまで自分は『母親なんか愛してないし、愛されたいと思ってない』ってずっと否定してきていたんですけど、私は本当はメチャメチャ愛されたかったのに、それが満たされなかったんだっていうのがようやくキチンと自覚できて。小さいときに『ママ、手を打っちゃった』って言ったら『あらあら、痛かったね』って言ってほしかったし、誕生日だったらケーキを出されて『おめでとう』って言われて……っていうのを望んでいて、そこでスペシャルな修行は望んでいなかったし。私が望んでいた普通を、母はくれなかった。母のほうも私を愛していたけど、それができなかった。『愛する能力があんまりない人なんだ』って思ったとき、かなり楽になりました」(アヤさん)
複雑な家庭、普通じゃない母親。この日、アヤさんはつらい過去を淡々と話してくれた。さまざまなことを乗り越え、いろんなことを割り切った後だからだ。
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