『ねほりんぱほりん』マイ宗教で“神様”名乗る母、子の苦労「親を殺す、殺さないのレベルで悩んで」
#NHK #ねほりんぱほりん
11月12日に放送された『ねほりんぱほりん』(Eテレ)が取り扱ったテーマがスゴかった。題して、「親が“神様”を名乗る人」である。
最初に、「子どもは親を選べない」と番組がはっきり言ってくれたのはありがたかった。生まれる前の子どもたちが「“逃げ恥婚”で結ばれた星野源と新垣結衣の家で育ちたい!」と思ったとしても、そうはうまくいかないのが現実である。
細木数子もびっくりの予言で信者を増やしていった母
今回、ゲストに招かれたのは都内で1人暮らしをしている30代の女性・アヤさんだった。
「私が物心ついたときには、もう母が神を名乗っていまして」(アヤさん)
「私は神だ」とコントするモンスターエンジンじゃないんだから。まさに、この日は“神回”だと言える。
憲法で信教の自由は保証されているが、子は親の信仰に影響されがちという側面があるのは事実。アヤさんは信じることを母から求められ、違和感を覚えた子どもだった。
「母は神道をベースにしたマイ宗教を持っていまして、その母を信じて慕っている人たちは50人くらいいる感じですかね」(アヤさん)
「マイ宗教」というパワーワードから、母への違和感がだだ漏れしている。信者数は約50人とのことだが、このくらいの少人数だと先鋭化は止まらなそうだ。
そもそものきっかけは、国家資格を持つ母が開いたカルチャースクール。同教室で、母は生徒に予言をし始めた。「あなたはガンにかかっているから病院に行ったほうがいいんじゃない?」「あなたもうすぐ親御さん亡くなるから準備しておきなさい」など、細木数子(※敬称略)もびっくりの不吉な予言を連発。こういうとき、「宝くじが当たる」「子どもが生まれる」など、縁起のいい予言をあまり言わないのはデフォルトだ。そして、その予言がたまたま当たってしまった人たちが信奉者になり、アヤさんの母は教祖化していった。邪気が憑いている信者に、母は手をあてながら祝詞のようなものを唱えたという。いわゆる、手かざしだ。
この過程で、母は神様を名乗るようになった。サラリーマンが「私は会社員です」と言うように、「お母さん、神様だからね~」と口にしていたそうだ。多くの宗教組織は教祖と幹部がすべて承知の上で、大人の態度で運営しているものと思っていたが、どうやら本気の教祖もいるらしい。
幼少期のアヤさんの生活は普通じゃなかった。1階の大広間入り口には母の肖像画が飾ってあり、帰宅すると肖像画に頭を下げて挨拶をするよう徹底されていたのだ。麻原彰晃や大川隆法の子どもも、こんな感じで育ったのだろうか?
そして、家の奥には聖水の出るスペースがあった。「聖水が湧き出る」という理由で、母はこの物件を決めたそうだ。なんとこの日、噂の聖水をアヤさんが実際に持ってきてくれた。聖水にはハーブが調合されており、いい匂いがするらしい。これをかけて邪気を祓うのだ。聖水、手かざしと、いろんな宗教からそれっぽいものを詰め合わせただけの雑な設定に思える。
生活スケジュールも異常である。朝5時に起こされ、神棚にお祈りを捧げるところから1日はスタート。自称・神様が隣にいるのに、なぜ神棚を拝むのかがわからない。さらに母の前に手を差し出し、母の手から念を感じる修行も積まされた。後継者になる前提で回るアヤさんの生活は、いろんな意味でキツい。果たして、彼女に修行の成果は出たのか?
「『感じない』って言うと大変なことになるので、『あ~、メチャクチャわかる。感じる、感じる!』って言ってました」(アヤさん)
神様なのに、娘の嘘は見抜けなかったようだ。
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