巨人、FA獲得“失敗の歴史”──過去10年に捨てたお金は50億超?
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CSでヤクルトに敗れた巨人の2021シーズンが終了した。昨年、一昨年と2連覇し、今年も優勝の本命だったが、結果は3位。CSには出たものの、借金1という結果は球界の盟主・巨人にとっては“惨敗”だ。前半戦こそ阪神の独走を許したものの、夏にかけてグングンと調子を上げ、8月終盤に首位を奪還。だがその後、大失速して3連覇は夢と消えた。
「8月下旬に中田翔を獲ったのが1つのポイントでしたね。同僚への暴力行為で無期限出場停止処分を受けた中田を日本ハムから獲得し、すぐに試合で起用。優勝を争っている時期に、他球団で不祥事を起こした選手を獲り、いきなり起用したら、それまで頑張ってきたレギュラー組は『何なんだ』と思うでしょうし、出番が欲しい控えや若手もやる気を失ったはずです。9月最初の段階で15個あった貯金は、1カ月半でキレイになくなりました」(週刊誌運動担当デスク)
高いレベルの競り合いでは、最後はモチベーションが勝敗を分ける大きなポイントになることを如実に示した終盤戦の巨人。中田獲得は、大事な時期に戦力UPするつもりが、結果的に足を引っ張る形となってしまったが、さすがに戦犯は彼だけではあるまい。2連覇中にも関わらず、昨年オフは積極的に補強に務めたが、それが総崩れだった。
「今年の巨人は新加入組が酷すぎました。FAでDeNAから井納翔一と梶谷隆幸を獲りましたが、井納は0勝で、梶谷も成績は大幅にダウン。新外国人のテームズ、スモーク、ハイネマンはすべて途中帰国しました。ドラフトでは育成を含めると19人も獲りましたが、1軍出場はほぼゼロ。トレードではヤクルトから廣岡大志を獲ったものの、交換相手の田口麗斗が向こうできっちり働いたので、これも失敗です。それでも3位だったわけで、選手層の厚みはさすがとも言えますが……」(週刊誌記者)
優勝を逃した巨人が今オフにFA補強に走るのは、過去の例を見れば明らかだ。ただ、“欲しい欲しい病”がどんな結果を招いているのか、そろそろ検証すべきだとベテラン野球ライターは語る。
「かつて落合博満、広澤克実、清原和博、江藤智、小笠原道大など、他球団の超大物をFAで獲っていた時期は、高いお金を払っても見返りがきっちりありましたが、ここ10年はFA獲得選手の成績がひどすぎます。陽岱鋼の5年15億円(金額は推定、以下同)、野上亮磨の3年4.5億円、森福允彦の2年4億円などは捨てたようなものですし、大竹寛、相川亮二、金城龍彦、炭谷銀仁朗なども獲得成功とは言い難い。
丸佳浩はコンスタントに活躍していますが、5年25億円は高すぎますし、3年7億円の山口俊も、3年で計26勝は微妙なライン。井納(2年2億円)と梶谷(4年8億円)も、初年度分はまったくペイしていません。2012年以降、巨人がFAで獲得した13人に投じた総額は80億円近くになりますが、丸と山口の分を引いた約50億円はムダ金だったとも言えます。
近年は『たとえ戦力にならなくても、ライバルチームの戦力が落ちれば良い』と考えている節さえうかがえる。巨人ファンもいい加減、そういったやり方に呆れていますし、こんなことを続けていると、プロ野球を目指す野球少年たちからそっぽを向かれるでしょう」(野球ライター)
それとも、「ストーブリーグを盛り上げるのも球界の盟主の役目」と考えているのだろうか。
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