『関ジャム』“デビュー曲”特集! サバンナ高橋に東京の遠さを実感させた、高校の後輩・くるり岸田
#音楽 #関ジャム
長渕剛の「巡恋歌」以前、幻のデビュー曲「雨の嵐山」
『関ジャム』が、急に長渕剛をぶっ込んできたのは驚いた。今回、長渕のデビュー曲として紹介されたのは「巡恋歌」だった。彼のデビュー曲をどれにすればよいか、考え方はいくつかある。
第12回ヤマハポピュラーソングコンテストで入賞し、ビクター・レコードと契約した長渕。1977年に彼がビクターからリリースしたデビュー曲は、ポプコンの入賞曲でもある「雨の嵐山」だった。しかし、長渕の承諾なしに曲は演歌調へとアレンジされ、デパートの屋上でアイドルの前座を強いられるなど、本人からすれば不本意な活動の日々だった。すべてを白紙に戻すべく、長渕は九州に帰郷。翌78年に東芝EMIから再デビューを果たした曲が「巡恋歌」だったのだ。「雨の嵐山」を紹介したならば「さすが、関ジャム!」というところではあるが、長渕の音楽性が反映された曲ではないため企画趣旨にそぐわなかったのかもしれない。
というわけで、「巡恋歌」だ。92年にはセルフカバーver.も発表されたが、ファンの多くはオリジナルver.を支持するはずだ。今では「セイ! セイ!」と叫ぶ姿がおなじみだが、本来の資質は長髪でガリガリで田村淳に似た顔つきだった当時の楽曲に集約されていると思う。長渕がハードボイルドな方向に舵を切ったのは「とんぼ」以降。昔と今では、声も人格も別人のようである。
フォーク・ミュージックからブルース・スプリングスティーン的なマッチョな方向へスタイルを変えた長渕だけでなく、CHAGE and ASKAも“演歌フォーク”からアーバンなポップスに音楽性を乗り換えた。面白い変遷だ。演歌や歌謡曲を歌っていたが、いつしかポップな方向へ舵を切ったアーティストの特集もいつか見てみたい。
YOSHIKIが全力を出したジャニーズ・SixTONESのデビュー曲
この日、最後に取り上げられたのはSixTONESのデビュー曲「Imitation Rain」だった。わずか2年前にリリースされた曲を取り上げる必然性は疑問符だが、実際にこの曲、ちょっと面白いのだ。
注目したいのは、この曲を手掛けたのがYOSHIKIという事実だ。彼が今まで手掛けたデビュー曲といえば、GLAY「RAIN」と北野井子「Begin」がパッと思い浮かぶ。果たして今回はどうか? と構えていたら、これが見事なYOSHIKI節だった。「まだ才能は枯れていない」と確信させるクオリティなのだ。というか、あまりにX JAPAN過ぎて「Toshlに歌ってもらったほうがいいのでは?」と思うくらいである。「異曲をくっつけた?」と勘繰りそうになる強引な転調も、通常運転のYOSHIKI曲と言える。
ジャニーズの曲は売れるし、注目もされる。だから、提供者は全力で行く。そういう意味で、彼らの楽曲は気になる。ジャニーズアイドルのデビュー曲で出色なのは、少年隊「仮面舞踏会」、光GENJI「STAR LIGHT」、そしてKinKi Kids「硝子の少年」辺りだろうか。やはり、いい曲ばかりだ。
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