『呪怨:呪いの家』が本当にいわくつきなワケ… VODでホラー映画が百花繚乱
#呪怨
『新感染』と人肉シリーズの意外な共通点
叶井 とはいっても、配信はプラットフォームも作品もいっぱいあって、選ぶのが大変ですよね。
庄村 ホラー映画専門と謳うOSOREZONE(オソレゾーン)も“ほんこわ系”(「本当にあった怖い話」)とかの実録系、半ドキュメンタリータッチのものがメインです。
叶井 海外ドラマは見ます?『ウォーキング・デッド』とか。
庄村 これまた非常に申し訳ないんですが、そこに手を伸ばせてないんです。シリーズものって『ソウ』や『ファイナル・デッドコースター』みたいに尻すぼみで終わるんじゃないかっていう怖さがあって。
叶井 う~ん、ほかのはどうなのかよくわからないけど、『ウォーキング・デッド』はどんどん面白くなってますよ。いろんな配信サービスで見られるし。ちょうどシーズン11がやってるから、1から追っかけるのがオススメ。
庄村 がんばって追いつきます。ほかに最近のホラー作品で気になるものはありますか?
叶井 『ズーム/見えない参加者』(21年)なんていいんじゃないですか? ZOOMを使ったホラーで、今っぽさを引用してるところとか。『search/サーチ』(18年)がFacebookを舞台にしてるみたいな感じ。
庄村 そういう流れは昔からありますね。
叶井 それから昔の映画のリメイクも流行ってますね。今年リメイクされた『キャンディマン』も傑作でした。それと『ハロウィン』シリーズのリメイク2作目の『ハロウィン KILLS』。
――リメイク作品だと、最近勢いのある韓国から『ヨコクソン/女哭声』(21)という映画もありますね。オリジナル作品は86年の作品だそうです。
庄村 これは見たことないけど、面白いわけがない(笑)。
叶井 僕は『哭声/コクソン』(17年)は大好きで世間的にもそこそこウケてたから、便乗してるのかな?『新感染半島 ファイナル・ステージ』(20年)も、一応『新感染 ファイナル・エクスプレス』(17年)の続編だけど、内容的には全然関係ないんですけどね。
庄村 売れたコンテンツに便乗するのは人肉シリーズ時代と変わってない(笑)。
『呪怨』シリーズ、清水監督とプロデューサーの確執の原因とは⁉
庄村 配信オリジナルホラーで面白かったものはありますか?
叶井 やっぱりNetflixの『呪怨:呪いの家』はよかったですよ。同シリーズ初のドラマ作品なんだけど、これまでの映画の作り方とは違う。80~90年代に実際に起こった「女子高生コンクリート詰め殺人事件」や「神戸連続児童殺傷事件」などを背景に入れつつ、呪怨のドラマに持っていってるから、そこが新しかったですね。
庄村 『呪怨』はもともとビデオスルーでしたよね。それなのに、ビデオスルーも映画も配信オリジナルも全部面白いすごいコンテンツ。一度も作品として評判が落ちたことのないホラーって聞いたことがないですよ。
叶井 “ザ・ジャパニーズホラー”って感じですよね。世界でもかなりウケたし。でも今回は清水崇監督じゃないんですよ。
庄村 どうしてですか?
叶井 呪怨の清水監督と当時のプロデューサーがお金で揉めたと聞いてます……。確か裁判沙汰になって泥沼化したような……。多分まだ決着ついてないと思いますね……。
庄村 やばい話ですね……。めちゃくちゃいわくつきじゃないですか⁉
叶井 その意味でも、ホラー映画ファンは注目すべき作品ですね。
――不穏当な話に転がったところでひとまず、今回はここまででお願いします。次回からは実際におふたりに共通の作品を見ていただきつつ、対談をしてもらいますね。
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事