『チコちゃんに叱られる!』もはや「とも君」スペシャル? スタッフいじりの度が過ぎる最近のNHK
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11月5日放送『チコちゃんに叱られる!』(NHK)のゲストは、山崎育三郎と榊原郁恵の2人。山崎といえば大河ドラマ『青天を衝け』(NHK)に伊藤博文役で出演しているし、『第72回NHK紅白歌合戦』(NHK)への初出場も内定した。子役時代に『おじゃる丸』(NHK Eテレ)で星野くんの声を務めていたこともある。実は、NHKと何かと縁の深い人だ。
「もみじ狩り」は、体裁を気にする日本人特有の見栄でできた言葉
最初のテーマは視聴者から寄せられた質問から。この番組はどうやら、1問目は視聴者からの疑問に答えるという構成になったらしい。質問の内容は「春はお花見、冬は雪見なのに、なんで秋の紅葉は『もみじ見』じゃなくて『もみじ狩り』なの?」であった。いちご狩りやみかん狩りのように、紅葉も天ぷらにして食べるから? いや、それは強引すぎる。でも、ボンタン狩りだってエアマックス狩りだって狩りの対象を食べはしなかったし……。
チコちゃんが発表した正解は、「狩りじゃないとお下品だったから」であった。秋が深まると一斉に色づく山や木々を見て楽しむもみじ狩り。古くから日本人に好まれてきており、平安時代の貴族にとってもそれは同じことだった。当時の貴族たちには大きな家があり、庭に季節の植物を植えて家の中から眺めて見ることを楽しんでいた。ただ、山一面に広がるもみじを見るには外に出かけなければならない。
ここで問題となったのは、平安貴族に課せられた独特のルールである。貴族は平安京の外へ自由に出かけられなかったのだ。政治などに携わり、普段は都の中で生活していた貴族が平安京の外へ出るのは、基本的に特別な目的があるときに限定された。その目的とは、神社やお寺をお参りする「物詣で(ものもうで)」、お祭りや行列を見に行く「物見(ものみ)」、そして鷹狩りなどの「狩り」である。貴族が移動するときは、主に牛車や馬に乗る。自分の足で歩くのは貴族としての振る舞いに反する。極端に言えば、下品と考えられていたのだ。足は“第二の心臓”と言われているのに……。
でも、貴族だって山一面のもみじが見たい。そこで目をつけられたのが「狩り」であった。山の中では獲物を探しながら歩くため、表向きに「狩りに行く」と言っておけば「下品だ」と思われず、貴族としての対面を保ちながら大手を振って一面のもみじを鑑賞できたのだ。だから、平安貴族はもみじ鑑賞に行くことを「もみじ狩り」と呼ぶことにしていた。貴族が体裁を保つために使っていた言葉「もみじ狩り」は、江戸時代には秋の風物詩として庶民にも広まっていき、現代まで残っているのである。
つまり、面子ばかり気にしていた連中の見栄のための言い換えだったのだ。くだらない。でも、日本人っぽい。「自分の足で歩くのは下品」と、この時代から同調圧力が存在したのもいかにもである。
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