小田急、子どもの乗車賃を一律「50円」に! 追随しそうな鉄道会社はどこ?
#鉄道 #小田急電鉄
鉄道会社がコロナで軒並み減収に追い込まれる中、が思い切った取り組みを発表した。来年の春より、IC利用時の小児運賃を一律50円に改定。通学定期やフリーパスなどについても、小児運賃の改定を予定しているという。
「首都圏では近年、いくつものバス会社が夏休みに子ども料金を50円にするキャンペーンを行っていますが、鉄道会社が継続的に、しかも全線一律で同一料金にする取り組みは全国初でしょう。小田急のIC利用時の子どもの初乗り料金は63円なので、1駅乗るだけでも値下げになりますし、新宿から小田原まで利用した場合の子ども料金は445円なので、約9割も安くなる計算です」(週刊誌記者)
値上げのニュースは毎日のように耳に入ってくるが、値下げのニュースを聞くことは稀。しかも交通機関の値下げは滅多に聞けないニュースなだけに、大きな話題を呼んでいるが、これはどういった狙いがあるのか? 地域ブランドや沿線ブランドに詳しい大手不動産会社社員はいう。
「小田急は、子ども運賃一律50円制度導入を発表すると同時に、子育て応援ポリシーを発表。“子育てしやすい沿線”という目標を掲げ、ベビーカーシェアリング、子連れでも安心して使える車両の導入、子ども向けのイベントの定期的開催など、さまざまな取り組みを行う予定です。
その狙いは、日本社会が少子化に向かう中、小田急沿線では住民減少が予測されており、子育て家庭を呼び込みたいというのがひとつ。さらに、“子どもや子育て家庭に優しい鉄道会社”というメッセージを発信することで、企業イメージや沿線イメージ、街のブランド力を高める狙いもあるでしょう。少子化のみならず、急激な人口減少も同時進行で進む中で、都市部とはいえ今後は鉄道会社同士で乗客の奪い合いになることは必至。先んじて動いたのが小田急だったということです」(大手不動産会社社員)
たとえ1回あたり10円か20円の値下げでも、子育て家庭にとっては貴重。これを機に小田急沿線への引っ越しを考える人もいるかもしれない。こうなると期待したくなるのは、他社が追従することだが、こういった動きが広がる可能性はないのか? 鉄道業界に詳しいフリーのジャーナリストはいう。
「首都圏の私鉄でいえば、コロナでの落ち込みが特に大きい西武、京成、東京メトロ、営業範囲が広い東武、沿線開発が一通り終わった東急、三浦半島方面の人口が急激に減りつつある京急などはなかなか難しいでしょう。
可能性があるとすれば、ひとつは京王。始発から終点までの距離は小田急よりコンパクトで、もともと運賃が安いので値下げのダメージも少なく、終点に高尾山という一大観光スポットがあるので、値下げキャンペーンをやるインパクトは大きい。小田急とは路線が並行する身近なライバルなので、指をくわえて見ているわけにはいかないという事情もあります。
もうひとつは相鉄です。これまでは神奈川県内だけを走る“ローカル私鉄”と見られてきましたが、2019年に都内へのダイレクトアクセスが実現。新横浜への乗り入れも決まっており、“住む街”として急激に注目度が上がっています。子育て家庭を呼び込むために、子ども料金値下げは恰好のアピール材料。営業距離も短いのでやりやすいはずです」(ジャーナリスト)
これが実現すれば、少子化も少しは解消するかも?
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