「クイーン・オブ・地に足」阿佐ヶ谷姉妹の“地の利”と芸能界の椅子取りゲーム
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テレビウォッチャーの飲用てれびさんが、先週(10月31~11月6日)に見たテレビの気になる発言をピックアップします。
渋谷凪咲「お母さんとお昼寝しながら上沼恵美子さんのラジオ聞いてたり」
芸能界は椅子取りゲームと言われることがある。すでに誰かが座っている席を奪ったり、新しく来た誰かに自分の席を奪われたり。みちょぱこと池田美優がその席を日に日に安定的にする一方で、ゆきぽよがいつの間にか席を後にしていたり。そんななかで、誰にも見えていたはずなのに誰も座っていなかった席に座ったり、新しく自分で席を作って世の中に出てくるというパターンもある。
NMB48のメンバーである渋谷凪咲。関西を拠点に活動してきた彼女だが、芸人たちからもしばしば評価されてきたトーク力や大喜利力が買われたのか、特に最近、全国ネットの番組で頻繁に見るようになっている。
たとえば、2日の『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)に出演した彼女は、元フジテレビアナウンサーの大島由香里が「座右の銘が『やらない後悔よりやる後悔』だって言ってたわりに(積極的なトークが)できてなかったなと思って」と反省した際に、「そのタトゥー入れといてください」などコメントした。
こういう、コメントを振られたときにひと言で落とすみたいな女性タレントはあまりいない。芸人たちが評価する大喜利力が発揮されていると言えるだろうか。実際、芸人たちに混ざって大喜利番組に出演することもある(『お笑い脱出ゲーム』フジテレビ系)。なんだか、彼女は独自の席に座っている感じがする。
なお、彼女はお笑い好きを繰り返し公言している。好きな芸人はダイアンで、渋谷は彼らのことを「お笑いの完成形」と言ってはばからない。ここでダイアンの名前を挙げるのが絶妙だ。千鳥ら先輩芸人が先行してきたダイアンいじりに続くことができる。さらに、もともと渋谷とダイアンは共演の機会が多いだけでなく、このトークがさらにその機会を増やす。バラエティの出演機会が広がる。なんだか、ここ最近の渋谷とダイアンのテレビ露出の増加は、相関関係にあるような気もする。
この秋には、渋谷の冠番組『~凪咲と芸人~マッチング』(テレビ朝日系)が深夜帯で始まった。毎回芸人を1人呼んで渋谷と2人でトークをしたりする番組だけれど、第1回・第2回のゲストはやはりダイアンだった。2日の放送で彼女が語ったところによると、お笑い好きになったのは母親の影響らしい。
「綾小路きみまろさんのライブのトークのCDみたいなのがあって。あれも好きでずっと聞いてたり。あとは、(矢野・兵藤の)兵動さんと小籔(千豊)さんの『おしゃべり一本勝負』のDVDとか。あと、バナナマンさんとおぎやはぎさんの『epoch TV(square)』っていうコントのやつとかも、いつもご飯のときにお母さんと家族でみたりして育ちました。小学校のときとかも、お母さんとお昼寝しながら上沼恵美子さんのラジオ聞いてたり」
なんという英才教育。西はもちろん、東のおしゃべりの名手まで。それだけでなく、当時まだ若手だった東京芸人のコントも。彼女や彼女の母親のような人たちが多ければ、2001年の『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)での、おぎやはぎの大阪会場9票という惨劇は回避されたかもしれない。なるほど、バラエティ番組で見せる彼女の機転のベースには、幼少期から浴び続けてきたさまざまな種類のお笑いがあるのだろう。
あと、テレビの中では、大阪出身を普段から公言する芸能人は男女ともに“がさつ”みたいなイメージに引っ張られがち(あるいはそんなイメージを利用しがち)なところがあるけれど、渋谷はちょっと違う。そういう意味でも、彼女は他に誰もいなかった席に座っている気がする。
とりあえず、『アメトーーク!』(テレビ朝日系)でダイアン中心の企画が組まれた際は、渋谷がひな壇か蛍原徹の横の席に座っているのではないかと思う。
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