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日刊サイゾー トップ > エンタメ  > 『関ジャム』B’z「ultra soul」問題

『関ジャム』B’zの「ultra soul」問題! 宇多田、スピッツ、ミスチル…レジェンドたちの“最強ベスト10”が薄味過ぎた?

「ultra soul」以外の1位なら納得したのに……

 B’zは1位が最も読めないアーティスト。なにせ、ミリオンシングルが15曲もあるのだ。票はかなり割れたはず。彼らのランキングは以下だった。

1位:ultra soul
2位:LOVE PHANTOM
3位:愛のままにわがままに僕は君だけを傷つけない
4位:ALONE
5位:今夜月の見える丘に
6位:いつかのメリークリスマス
7位:ギリギリchop
8位:イチブトゼンブ
9位:Liar!Liar!
10位:太陽のKomachi Angel

 あまりに候補曲が多いB’zだから「ultra soulが1位じゃなければ納得しよう」と思っていたら、「ultra soul」が1位だった。98年リリース『B’z The Best “Treasure”』時のファン投票では「恋心(KOI-GOKORO)」が1位を獲得したが、今回にかぎっては稲葉も松本に相談しないままで終わった、というか。

 筆者はなんだかんだ「BAD COMMUNICATION」が1位だと思っていた。他にも「Calling」「BLOWIN’」「TIME」など、いくらでもある。それらをスルーで「ultra soul」を選ぶのは解せない。ネタにまでされる知名度だから持ち上げられてはいるものの、はっきり言って圏外でもおかしくない曲だ。B’zに関しては直前SP(10月24日放送)で発表された、丸谷マナブ作成の個人ランキングのほうが明らかに面白かった。

 今回の特番で最も無難なランキングに終わったのは、B’z。正直そこまで玄人ウケするグループではないので、露骨に有名曲ばかり集まる順位になったのか?

 全9組のランキングを見た感想は、「有名曲ばかりだな」に尽きる。「プロが選ぶ」という冠がつきながら、「街行く人に聞きましたランキング」とほぼ変わっていないのだ。これじゃあ、もはや知名度ランキングである。おそらく、理由は2つある。1つは、「売れたものはいい」という圧倒的真理。売れた理由があるからプロは評価した、ということなのかもしれない。

 そして、もう1つの理由。選者各々の個人ランキングを見たら、きっとコアな曲も選んでいたはずである。しかし、それらを総合して統計をとるとメジャー曲ばかりが残るのは当然だ。サザンでやれば「勝手にシンドバッド」「TSUNAMI」等が上位に来るだろうし、ユーミンの場合は「卒業写真」「恋人がサンタクロース」が上位に来る。やはり、凡庸なランキングになっていたはずだ。つまり、企画が失敗だった。直前SPのように個人ランキングを公開すれば、プロの好みがモロに出て面白かったはずである。

 いや、選曲はメジャーどころでも、解説で深く掘り下げてくれたら見応えはあった。ゴールデンに来て、幅広い人に見てもらおうと内容を薄く延ばし、結果的にランキングを垂れ流す『COUNT DOWN TV』(TBS系)とほぼ同じ内容になってしまっている。「Tomorrow never knows」「LOVE LOVE LOVE」等の細かい分析を期待しているのに、単なるヒット曲のサビメドレーに終止した今回。『関ジャム』のいいところが少しも出ていない特番だった。確かに、2時間枠で9組を紹介すると駆け足にならざるを得ない。なら、アーティスト数を減らして解説にもっと時間を割くべき。9組ではギュウギュウすぎて、ダイジェスト的になってしまう。

 しかし、今回の特番で見えたことが1つだけある。スピッツもドリカムもB’zも、上位を占めたのはほとんどが90年代の曲だった。キャリアを重ねると、ファンの思い入れは初期に集中しがち。そんな中、しっかり今年の曲にも支持を集めていた宇多田はちょっと凄い。

寺西ジャジューカ(芸能・テレビウォッチャー)

1978年生まれ。得意分野は、芸能、音楽、格闘技、(昔の)プロレス系。『証言UWF』(宝島社)に執筆。

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最終更新:2021/11/07 20:00
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