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吉本興業が「BSよしもと」を3月開局、ファンダンゴTVの“黒歴史”をどう活かす?

吉本興業が「BSよしもと」を3月開局、ファンダンゴTVの黒歴史をどう活かす?の画像1
吉本興業チャンネルより

 吉本興業は10月29日、2022年3月21日に新たなBS放送局「BSよしもと」を開局することを発表した。チャンネル番号は265で、視聴は無料。

「地方創生」をコンセプトとした同局では、全国各地に移住してその地方を拠点に活動する吉本所属の「住みます芸人」や各地のディレクター、YouTuberなどを起用し、地域の活性化や地元を拠点にした起業の助けとなるような番組を制作するという。さらに、1日に複数の帯番組を放送。週末には、吉本新喜劇や花王名人劇場などの過去のアーカイブからなる『よしもとアワー(仮)』を放送する予定だ。

 吉本興業が運営する放送局といえば、2000年11月から2008年3月までスカパー!などで放送されていた、「ヨシモトファンダンゴTV」(以下、ファンダンゴTV)がある。ファンダンゴTV放送当時を知るお笑い事務所関係者はこう話す。

「初期のファンダンゴTVでは、劇場中継やオリジナルのバラエティー番組、過去の地上波で放送されていた番組などを放送していました。そして、2005年からは『ヨシモト∞』という365日生放送をする番組が始まり、後期はそれがメインコンテンツとなっていました。

 開局当初は、スカパー!のチャンネルパックにも含まれていたんですが、2005年以降はパックから外れて、視聴料も月額525円から1300円に値上がりしました。このタイミングで、一気に視聴者が減ったと言われています」

 芸能事務所が放送局を運営するという、ファンダンゴTVでのチャレンジは、決して成功とは言えなかったようだ。

「当時はまだサブスクリプションサービスも普及していなかったし、お笑いは地上波テレビで無料で見られるものでしたからね。コアなファン向けの放送局にしては、売上のわりに番組制作にお金がかかりすぎたのでしょう」(同)

 しかし、来年新たに開局する「BSよしもと」は、無料での放送となる。

「ファンダンゴTVの経験を踏まえての開局ということで、BSよしもとはファンダンゴTVとはまったく異なるコンセプトになりそうだと言われています。純粋なお笑い番組よりも、いかに地方に根付いた番組を作るかを重要視しているそうで、スポンサー探しなども、基本的に“地元の企業”がターゲットになると思います。いわば、その地元でのビジネスの宣伝ツールとして、BSよしもとの番組を使うという形でしょう。無料で視聴できるということで、いかに地方で資金を調達するかが重要となるはずです」(同)

 ただ、BS放送局となれば、決して視聴者が多いわけではない。そこで番組を持ったところでどれほどまでの効果があるのか、疑問が残るところだ。

「面白い番組を作っただけではビジネスにならないというのは、ファンダンゴTVで痛感しているはずですから、もうちょっとわかりやすい形でビジネスにしていくのでは。それこそ、BSには無料で視聴できる通販系の放送局も多いですが、BSよしもとも地方の名産品を主に扱う通販番組ばかりになるのではないかとの予想もありますね」(同)

 いずれにしろ、一風変わった放送局になることは間違いなさそうなBSよしもと。いかにしてテレビやYouTubeと異なるお笑いコンテンツを生み出していくかに注目だ。

浜松貴憲(ライター)

1980年生まれ、東京都出身。大学卒業後、出版社に入社。その後、いくつかの出版社を渡り歩いた末に、現在はフリーライターとして、テレビ番組、お笑い、YouTubeなど、エンターテインメント全般について執筆している。

はままつたかのり

最終更新:2021/11/07 18:00
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