佐久間宣行「本質をしゃべるトーク番組が増えすぎた」 テレビの中の本音のようなもの
#テレビ日記
テレビウォッチャーの飲用てれびさんが、先週(10月24~30日)に見たテレビの気になる発言をピックアップします。
ヒコロヒー「『緊張してます~』っていう、あの変なやつはしないようにしてる」
急激にテレビでその姿を見ることが増えたヒコロヒー。そんな彼女が27日の『あちこちオードリー』(テレビ東京系)に出演していた。オードリーの若林正恭に「落ち着いてるよね」と指摘された彼女は、次のように答えた。
「そんなことはないです。ただ、アレはしないようにっていうのは、『緊張してます~』っていう、あの変なやつはしないようにしてる」
一旦「そんなことはないです」と謙虚さを含ませたひと言を挟んでクッションにしつつ、テレビでよく新人タレントなどから聞く「緊張してます~」というへりくだったような定型句に「あの変なやつ」と鋭く切り込む。彼女はさらに続ける。
「私がテレビに出たときに、誰かわからない人が出てきて『緊張してます~』って言うの見てて、なんで誰かわからんやつが緊張してるかどうか聞かなアカンねんって、自分が視聴者やったときに思った。芸風とかキャリアとかもあるから、もちろん言っていい方いらっしゃると思うんですけど、自分においては『緊張してます~』っていう尺のぶん、スベってもウケてもいいから、なんかこう、らしいことを言いたいなっていう。そのぶん、落ち着いてるっていうふうに見られがちなだけだと」
ヒコロヒーのトークは、テレビや芸能界、世間などに対する鋭い切り込みがウケているように見える。ただ、そうやってトークが“鋭く”聞こえがちなときほど、彼女のトークはある意味で“鈍く”なる。今回でいえば、「芸風とかキャリアとかもあるから、もちろん言っていい方いらっしゃると思うんですけど」というような、注釈というか補足を話の流れのなかで自然に挟む。そして「自分においては」と、あくまでもこの主張が自分視点のものであることを際立たせる。
トークの“鋭さ”という点からは余計なものに見えるエクスキューズ。それはある面では、周囲への配慮や、何が視聴者に叩かれるかわからない状況のなかでのハレーションの回避という面もあるかもしれない。けれどそれだけでなく、そんなエクスキューズが彼女のトークに独特のリズムを生んでいるような気もする。
若林からの「落ち着いてるよね」という指摘を一旦「そんなことないです」と否定したところから始まったヒコロヒーのトーク。その語りは独特のうねりを経て、いつの間にか若林の指摘を否定しない結論に着地した。淀みなく流れるというより、淀みなくうねる。そんなトークが、耳心地がいい。
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