いまじゃRIZAPだけ? 水着姿のCMが地上波から消え去る日
#CM #水着
容姿端麗で肉感的な女性が、水着姿で商品を持ってニッコリ微笑む──CMやポスターではおなじみの光景だが、これが絶滅の危機に瀕している。ジェンダーに関する議論がいよいよ活発になり、広告業界の現場は完全に萎縮しているという。
「ここ数年、広告業界がとにかく敏感になっているのがLGBTやジェンダーの問題です。ちょっとでも問題がある表現が含まれていると、たちどころにSNSに投稿され、瞬く間に拡散してしまう。そんな事態になれば、すぐさまCMは打ち切り、ポスターや資料は回収、クライアントには説明を求められ、各方面に謝罪して回り、社内でも矢面に立ち、報告書の提出を命じられ……そんな場面を周囲で何回も見てきました。
炎上事例を見ると、『このご時世に、よくこんなことをやったな』というものもありますが、そうではないものも少なくない。ただ、ドラマや映画などならともかく、広告は炎上してしまえば一巻の終わり。“面白いものを作ろう”というエネルギーと同じぐらいの分量で、炎上要素をチェックする作業が行われています」(大手広告代理店関係者)
一度炎上すれば、たとえそれが誤解だったとしても、企業イメージや商品イメージが著しく毀損されるのは明らか。いま最も目を付けられているものが女性の水着姿だという。
「正直、男性の目線を集めるためには女性の水着姿ほど有効なものはなかったのですが、近年の広告制作の現場では、“水着であることの意味”が求められています。女性が水着姿で商品を持って笑っているだけでは、水着である必要性がないのでアウト。ビール会社の水着ポスターもなくなりました。
そうなるとOKなのは、日焼け止めの効果を謳うサンオイル、水着になるのが当たり前のレジャープール、ボディラインを見せる必要性があるダイエット系の広告などぐらい。今すでに、地上波ゴールデンで流れる水着CMはライザップくらいじゃないですか? 厳格な規定があるわけではありませんが、時代の流れとして確実に水着CMは減る方向です」(キー局関係者)
過去には水着CMがきっかけでブレイクした女性タレントもいるが、遅かれ早かれ、それも昔話になりそう。こういった流れは広告業界だけでなく、出版業界でも進んでいきそうだ。
「いま矢面に立たされつつあるのが、漫画雑誌の表紙グラビアです。漫画雑誌ではアイドルが水着姿で表紙を飾るのが定番ですが、なかにはかなり水着の面積が小さいものもあり、ああいった雑誌がコンビニやキヨスクなどに並んでいる光景は、世界的に見てもかなり異常です。しかもグラビアをやる子の中には10代半ばの子もおり、業界内でも批判の声は多い。巻頭グラビアはともかく、表紙=水着という文化は遠からずなくなる運命でしょう」(大手出版社社員)
数十年後、「令和って、水着の女の子が雑誌の表紙だったんだ」と振り返ることになりそうだ。
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