『真犯人フラグ』、制作費10倍の『日本沈没』にコスパは圧勝!? TVerも好調で『あな番』超えなるか
#日本沈没 #TVer #真犯人フラグ
業界内で密かに注目を集めている、この秋の新ドラマをめぐる「対決」がある。TBS系の日曜劇場『日本沈没』と、日本テレビ系の日曜ドラマ『真犯人フラグ』だ。
『沈没』が日曜日夜9時スタート、『真犯人』が同日夜10時30分スタートと放送時間こそかぶっていないが、両局とも常に力を入れているドラマ枠だ。『沈没』はご存知、小松左京の有名小説が原作のSFドラマ。『真犯人』は秋元康の企画・原案のミステリードラマ。実績十分の“巨匠”が作品の礎を作り、それぞれ小栗旬、西島秀俊という実力派人気俳優が主演を務めていることからも、両局の注力ぶりがわかるだろう。
だが、両作品が最も大きく違うのは、その制作費だ。
「『沈没』は一話あたり2億円、総製作費が20億~30億円近くともいわれている。ちょっとした映画より巨額。局内でも“『半沢直樹』を目指せ!”と、かなりの力の入れようです。実際、主人公が正義を振りかざして、所属する組織内の上司のみならず、国家権力にまで立ち向かう様子は『半沢にそっくりだが、結局こういうのが面白い』『展開が、お約束すぎてすまらん』などとネット上で賛否両論を呼んでいます」(テレビ雑誌編集者)
気になる世帯視聴率は、第3話まですべて15%台と安定している(ビデオリサーチ調べ、関東地区・以下同)。だが、目標に掲げる『半沢』は昨年放送されたシリーズでも、視聴率は全話20%超え。TBSからしたら、巨額な予算のわりには物足りない結果といえるのかもしれない。
一方、日テレの『真犯人』は、初回視聴率は8.4%で、その後は7%台。この数字だけ見ると『沈没』に分があるようだが、当の日テレ内部の評価が違うようだ。
「このドラマはとにかくコスパがいい。制作費は『沈没』の10分1にも満たないといわれるなか、10時30分スタートという時間帯ながら、視聴率は『沈没』の2分の1は取れている。日曜ドラマの前作『ボクの殺意が恋をした』の平均視聴率は5.3%。それに比べると大きくアップしている点も高い評価につながっています」(日本テレビ関係者)
さらに、日テレ関係者が『沈没』との対決で意識しているのが、ネット配信での再生回数だ。
現在、『真犯人』は「hulu」(有料/全話配信)、「日テレ無料」「TVer」(無料/最新話のみ配信)で配信。『沈没』は「paravi」「Netflix」(有料/全話配信)、「TBS FREE」「TVer」(無料/最新話のみ配信)で配信。両作品の配信がかぶっているプラットフォームはTVerだが、ここでの再生回数は、常に『真犯人』がリードしているのだ。
「TVerでは週毎の再生回数は公表されていませんが、それに基づくランキングは誰でも見られます。そこでは、放送翌日の月曜日から数日間、常に『真犯人』が『沈没』を上回っている。『真犯人』の制作チームは『若年層に響いている証拠』『ミステリーゆえ、繰り返し見る人も多い』と、TVerでの反応のよさは、作品の狙い通りだったと喜んでいます」(前出の日テレ関係者)
近年、テレビでのリアルタイム視聴のみならず、録画やネット配信など視聴形態が多様化したことで、いわゆる視聴率のみで番組を評価する時代ではなくなってきているのは承知のとおりだ。そんな中、TVerという土俵の上では、制作費が一桁違う『沈没』とがっぷり四つに組んだ上に押し込んでいる、『真犯人』の制作サイドの士気が上がるのも当然だろう。
『沈没』が目指すところが『半沢』なら、『真犯人』が目指すのは、同じく秋元氏企画で成功した日曜ドラマ『あなたの番です』だ。同作は6カ月わたる放送期間で、後半になるほど視聴率や話題性を上げて、最終的には20%近い視聴率を獲得した。さらに有料である「Hulu」での再生回数が爆発的に伸びていったという。
その要因にあったのが、回を重ねるごとに熱を帯びていった考察サイトなどのネットでの盛り上がりといえるだろう。最新話をいつでもどこでも繰り返し観られるTVerは、そのムーブメントを支えるプラットフォームだったのだが、『真犯人』もTVerでの好調さを見ると、その流れに乗り始めているのかもしれない。
『日本沈没』と『真犯人フラグ』、それぞれが最終的にどんな評価を得るのか。回ごとに緊迫度を増す物語の行方とともに注目される。
(文=編集部)
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