各党バラマキ公約は古代ローマ時代さながら!結局、財源はどうする?
#総選挙
給付金バラマキ選挙の勝敗はいかに……?
野党第一党の立憲民主党は低所得者に年間12万円の給付、自民党と連立を組む公明党は0歳から高校3年生まで全ての子どもに一律10万円相当を給付、共産党は中間層を中心に一人10万円を「暮らし応援給付金」として給付するとしている。
国民民主党も国民に一律10万円、低所得者には20万円の給付を謳い、社民党が特別給付金10万円の支給、れいわ新選組に至っては一人あたり毎月20万円の現金給付を公約に盛り込む。「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」も期限付きの10万円分の電子マネー給付と第一子を出産した母親に対する1000万円の支給を追加公約として発表した。
具体的給付額には触れないものの、政権与党の自民党はコロナ禍の影響を受けた中小企業、小規模事業者、子育て世代、非正規雇用者などへの経済的支援を、日本維新の会は年金など既存の社会保障を統合した「ベーシックインカム」の導入の検討などを公約に盛り込んだ。
形は党によって多少異なるもの、各党とも給付を全面に押し出して、この総選挙に臨む。しかし、財源の裏付けはほとんどの政党で我々に対して納得のいく説明をしていない。
現職の財務事務次官の矢野康治氏が月刊「文藝春秋」の11月号で寄稿したように、国の債務は地方の債務と合わせると、1166兆円に上り、GDPの2.2倍にもなる。小学生でも日本という国が大きな借金を抱え、財政が危機的状況にあることは理解できるだろう。
矢野氏は寄稿の中で、古代ローマ時代の権力者がローマ市民にパン(食料)とサーカス(娯楽)を無償で与え、政治的判断をできぬよう盲目にして手なづけた例を引き合いに出し、「誰がいちばん景気のいいことを言えるか、他の人が思いつかないような大判振舞いができるかを競っているかのようでもあり、かの巨大な(ローマ)帝国でもバラマキで滅亡(自滅)したのです」と過去の歴史を引き合いに、各政党のバラマキ合戦に警鐘を鳴らした。
我々が財源の裏付けもない各党の給付金の大判振舞いをベースに投票先を決めるならば、共和制ローマを終焉させ独裁者にならんとしたシーザーが遺言状で75ドラクマの給付を盛り込んだと知った途端に、シーザ―支持に回ったローマ市民を笑うことができるだろうか?
古代ローマ市民と2000年後の21世紀に生きる日本の有権者の政治的成熟度の差異が、ほとんどないとすればあまりに悲しい。
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