各党バラマキ公約は古代ローマ時代さながら!結局、財源はどうする?
#総選挙
全キャストを女性のみで演じるシェイクスピアの史劇「ジュリアス・シーザー」が東京・渋谷のパルコ劇場で上演され、連日大入りを続ける。
おなじみの古代ローマ時代末期の共和制ローマ時に独裁者ならんとした、ジュリアス・シーザーの暗殺を描く史劇。権謀術数渦巻くローマの男たちの権力闘争だが、ブルータスを吉田羊、ジュリアス・シーザーをシルビア・グラブ、キャシアスを松たか子の姉である松本紀保が、そして雄弁でブルータスをシーザー殺しの謀反人に陥れるどんでん返しを仕掛ける、アントニーをSKE48ほかの元メンバー・松井玲奈が演じている。
シーザー暗殺後のローマ市民を前にした演説で、吉田羊演じるブルータスはローマ市民を前に「おれはシーザーを愛さぬのではなく、ローマを愛したのである」と暗殺の理を説き一度は市民を納得させるが、その後に続いて行われたかの有名なアントニーの演説で大衆は先ほどまで、「ブルータスの銅像を造れ」とまで言っていたのに、今度はブルータスを「謀反人!」、「叩き殺せ」とまで言い出す始末となり、状況は一変する。
ブルータスを「公明正大な士」と呼び直接的な批判は避けながら、徐々にシーザー暗殺の正統性を崩し、聞き入る聴衆の考えを一変させていくアントニーの巧みな話術。ブルータスら暗殺者の行為に段々と疑いを持ち始めたローマ市民を最後に突き動かしたのが、アントニーが読み上げたシーザーの遺言状だった。
「これが遺言状だ、シーザーの印が押してある。ローマ市民に漏れなく分配せよとある、全市民、一人ひとりに、75ドラクマずつ配れと」
途端に、ローマ市民らは「おれたちのシーザー! みんなで仇を討つのだ」などと叫び始める。ドラクマは古代ギリシャ、古代ローマなどで用いられた通貨。75ドラクマが現代の貨幣価値で幾らになるかはわからないが(ローマ帝国初期には1ドラクマ=労働者の一日の賃金だったという)、現代で言うところの給付金配布にローマ市民は熱狂しブルータスが「野心に身を委ねた」と批判したシーザー支持に回り、暗殺に加担したブルータスらを批判し始めた。
移ろいやすいというか、現代の永田町用語で言えば、「給付金配布」が風を巻き起こし、ローマ市民はいとも簡単に。アントニーに説得されてしまった。
このパルコ劇場での「ジュリアス・シーザー」が千秋楽を迎える今月31日、わが国は総選挙の投開票日を迎える。この総選挙で政党の大半が具体的給付額を公約に盛り込み選挙戦に臨む。
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