引きこもり歴35年、9060問題…日曜深夜『NNNドキュメント』の破壊力とネットの反応
#日本テレビ #NNNドキュメント #ひきこもり
日曜深夜に放送されている硬派なドキュメンタリー番組『NNNドキュメント』(日本テレビ系)が、35年にわたって引きこもり生活を続ける女性をピックアップ。ネットには、真夜中にも関わらず数千件の書き込みが殺到して話題をさらった。
「番組の主人公は、35年にわたって引きこもり生活を続ける54歳の女性です。『昔から人と話すのが苦手だった』という彼女は、一度は働きに出たものの、すぐに辞めさせられてしまい、そのまま引きこもり状態に。1日中、スマホを見て過ごしています。同居しているのは90代の父親で、頼りになるのは月18万円の父の年金だけ。しかも家には60代の長兄もいて、こちらも引きこもりです」(テレビ情報誌記者)
高齢の親が中高年の引きこもりの面倒を見る「8050問題」が深刻化する中、番組に登場した家庭は90代が60代の面倒見ており、番組の副題も「9060家族」と記された。自身は大手メーカーで働いたという父親は、とことんシビアだった。
「父親は現状にくたびれており、番組では『こっちが面倒を見てもらう年』『いざとなれば(子どもは)殺す以外ない』『しょうがない子どもをつくっちゃった』と、激しい発言が立て続けに飛び出しました。しかし番組が密着中のある日、その父親がポックリと亡くなってしまい、遺品を整理していると、『息子と娘は1人で生きていけないので連れていきます』という走り書きが見つかったのです」(同)
番組が放送されたのは日曜日の深夜25時。翌日から仕事や学校が始まるタイミングとしてはあまりにヘビーな内容だが、多くの視聴者はチャンネルを変えられなかったようだ。
「日曜の夜はネットの書き込みが1週間でもっとも落ち着く時間帯ですが、5ちゃんねるの実況スレッドは異常なスピードで進み、1時間で書き込み数は7000件に達しました。5ちゃんねるのユーザーは少しずつ平均年齢が上がっており、コアユーザーは40代以上。身につまされた人も少なくなかったものと思われます」(ネットニュース編集者)
書き込みをチェックすると、
「キツすぎる」
「ホラー映画より怖いんだけど」
「どんよりしすぎて気持ち悪くなってくる」
と、番組に引き込まれしまう人がいう一方で、
「この人自分の状況と似てるわ…」
「俺もさっきの長男みたいに歳だけとってしまう」
「なんか自分の未来を見ているようで胸が痛む」
など、当事者もしくは予備軍と思しき書き込みも含まれていたようだ。テレビ関係者は語る。
「硬派のドキュメンタリー番組というと、『NHKスペシャル』やフジテレビの『ザ・ノンフィクション』が有名ですが、『NNNドキュメント』は時間が深いこともあって、取り上げるテーマもディープ。なかなか陽が当てられない障害者問題、忘れ去られつつある戦争問題、時事ニュースとして消費されがちな天災のニュース、テレビではなかなか扱いにくいエネルギーや核など、腰の座った本格派の特集ばかりです。
今回の放送はネットで大きな話題になり、『こういう番組こそゴールデンでやってほしい』という声も上がっています。みんなで楽しめるバラエティ番組も大事ですが、深夜でもこれだけ話題になったのは、関心がある視聴者がそれだけ多いということ。こういう番組を積極的にゴールデンでやることで、テレビの在り方も変わっていくと思うのですが……」(テレビ関係者)
臭いものにフタをするだけでは未来は明るくならない。たとえ深夜でも、こういう番組が放送されたことで、議論が進むきっかけになったと前向きに捉えるべきなのだろうか。
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