『チコちゃんに叱られる!』アンティークとヴィンテージの違いって? チコちゃん「恋女房は古い方がいい」
#NHK #チコちゃんに叱られる!
「古いほうがいいと思うものって何?」「恋女房」
この日最後のテーマは「アンティークとヴィンテージの違いって何?」というもので、チコちゃんが発表した正解は「100年経っているかどうか」であった。そんな単純な話なの!? 本当に年数だけの違いなのだろうか。
詳しく教えてくれるのは、西洋アンティーク研究家の岩崎紘昌さんだ。おお、なつかしい! かつて、『開運!なんでも鑑定団』(テレビ東京系)のレギュラーだった先生である。岩崎さん曰く、アンティークとは100年以上昔のものを意味する言葉とのこと。この考え方のきっかけは、1930年にアメリカで定められた関税法である。当時の関税法の条文には「1830年より昔に作られたもの」、つまり法律ができた年から100年以上前のものには関税がかからないと記されている。1830年というと、1700年代にイギリスで起きた産業革命が各国に広がっていった時期。産業革命以前は主に手作業で作られていた家具や食器なども、この頃からは機械を使って徐々に大量生産ができるようになった。そのため、当時のアメリカの人々は1830年以前のものを歴史的に貴重と考え、それらの商品を輸入するため関税をかけないようにしたと考えられるのだ。自分たちに状況が良くなるよう解釈した“大人の都合”がきっかけだったわけだ。
そして1966年、「関税がかからないのは100年以上前に作られたもの」という書き方に法律が変化する。このことから、アンティーク業界では「アンティーク=100年以上昔のもの」という定義が誕生。つまり、今はもう20世紀のものでもアンティークになってしまうのだ。
一方、ヴィンテージの定義はアンティークに比べて曖昧である。実は、「ヴィンテージ」とはもともとブドウの収穫年を意味するワイン業界の専門用語だったそう。「ヴィンテージワイン」とは、ブドウの収穫年を特定できるワインのことなのだ。ヴィンテージは「古い」という意味を指す言葉ではなかった。しかし、日本ではヴィンテージワインを「長期熟成された素晴らしいワイン」の意味で使う場合もある。このことから、年月を重ねて価値を増した古いものという意味がヴィンテージにも付け加えられたのだ。
では、アンティークという言葉がありながら、なぜ近い意味を持つヴィンテージという言葉が必要になったのか? そのきっかけは、第二次世界大戦。戦争によって100年以上昔のアンティークと呼べるものの多くは失われてしまった。だから、作られてから100年経っていないものの古くて価値のあるものに、アンティーク業界は「ヴィンテージ」という別の呼び方を与えたのだ。アンティークとヴィンテージの違いは、産業革命と第二次世界大戦が理由だったのか……。
ちなみに、ヴィンテージがどれくらい前のものを指すかは業界によってさまざま。例えば、ジーンズ業界では染料がインディゴ染料だった1978年以前のものをヴィンテージと呼び、硫化染料を使用する現在のジーンズと区別している。色落ちすると縦方向に色落ちするのがヴィンテージジーンズの特徴だ。しかし、“戦後以降に作られた古くて価値のあるもの”がヴィンテージという考え方が一般的には主流。そう考えると、ヤフオクでアンティークとされる品物はほとんどヴィンテージになってしまうな……。
VTR終了後、岩崎さんから「古いほうがいいと思うものって何?」と質問されたチコちゃんは、「恋女房」と即答した。ちょっ、チコちゃんの“中の人”の木村祐一がそれを言う!? 今まで3度も離婚して、4回も結婚した人なのに……。
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