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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > HBO『ホワイト・ロータス』風刺が痛快!
世界は映画を見ていれば大体わかる #22

HBO『ホワイト・ロータス』搾取する側される側双方クズが織りなす風刺が痛快!

やばいのは搾取される側も…!

『ホワイト・ロータス/諸事情だらけのリゾートホテル』は、格差社会における搾取する側、される側の対立を描く社会風刺劇で、特権階級に属する人々の醜悪さを炙り出しているが、搾取される側もまた醜悪なのだ。

 支配人のアーモンドはシェーンのボンボン態度に我慢できず、一泡吹かせてやろうと企むのだが、失敗。ヤケ酒とドラッグに逃亡しまたミスを重ね、やることなすことすべて裏目に出て、そのツケを払わされることに。

 白人優位社会を憎みながらその家族にくっついて旅行を楽しんでいるパウラは、歪んだ憎しみから罪を犯す。安易に玉の輿に乗ろうとしたレイチェルも同様だ。

 本作は一方的に相手を糾弾する「金持ち相手の空しいルサンチマン」に終わってしまうところ、どちらも平等に悪役がおり、双方の側にひとかけらの良心や贖罪の意識が生まれるところが救いではないでしょうか。

 だから本来単発のリミテッドシリーズで終わる予定のシリーズが人気を博して、すでにシーズン2の製作が発表されたのだと思う。どちらかを一方的に責めるだけの物語なんて、見てて辛いだけだもんね。

 正月にハワイに行くか、働くか? どちらでもない人はこのドラマを観よう!

しばりやトーマス(映画ライター)

関西を中心に活動するフリーの映画面白コメンテイター。どうでもいい時事ネタを収集する企画「地下ニュースグランプリ」主催。

Twitter:@sivariyathomas

しばりやとーます

最終更新:2021/10/22 18:00
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