デイヴ・シャペル、史上最高コメディアンのネトフリ新作が差別的ネタでボイコットに!?
#スタンダップコメディ #デイブ・シャペル #Saku Yanagawa
“最後の仕事”にたくした願いを考察する
自身のジョークが元になっての友人の死が、彼に大きな影響を与えたことは言うまでもない。そしてそれは同時に、ジョークの炎上で「被害者」と思われていた人々が、いつの間にか「加害者」に変わってしまう社会の危うさと矛盾を浮き彫りにした。
過度な批判や誹謗中傷が、他人の「人生」まで奪ってしまう悲劇を生んだ。ダフネさんだけではない。行き過ぎたキャンセルカルチャーで職を失ったコメディアンだって多い。
筆者には、今回デイヴが巻き起こるであろう批判を覚悟で舞台に上がり、それらを自らが一手に引き受けることで、問題を可視化することそのものに意図があったように思えてならない。それを「最後の仕事」にすることがGOATとしての使命でもあり、スタンダップコメディアン、デイヴ・シャペルの生き様だったのではないか。
今やオピニオンリーダーになったデイヴのひとことひとことに会場中が頷き、どんなジョークにも爆笑が起こる。しかし舞台上からのそんな景色はデイヴにとって、突如姿を消した15年前の「あの時」と重なって見えたのかもしれない。苦難にジョークで「戦う」限界が見えてしまったのではないか。 最後に客席に向かって、そしておそらくはカメラの向こうの視聴者に向かって言ったことばが忘れられない。
「どうか俺たちの“仲間”をもうパンチダウンしないでくれ」<デイブ・シャペル>ワシントンDC出身のコメディアン。1990年代に頭角を現し、映画などにも出演し大きな人気を博す。2003年にはケーブルTVのコメディセントラルにて放送された自身の冠番組『シャペル・ショー』に出演。2006年表舞台から姿を消すがのちにNetflixでカムバック。以降勢力的に作品を発表。2018年から3年連続でグラミー賞最優秀コメディアルバム部門を獲得したほか、2020年にはコメディ界の最大の栄誉、マーク・トウェイン賞を受賞。
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事