『DUNE/デューン 砂の惑星』この大作をスクリーンで目撃せよ!「体感」するべきSF作品
#映画 #DUNE デューン 砂の惑星
2021年10月15日より『DUNE/デューン 砂の惑星』が公開されている。
まず主張したいのは、本作が「絶対に映画館で観るべき」映画であるということだ。後にも詳しい理由を記すが、広大な世界観への「没入感」こそが重要であり、大画面に集中して観る環境でこそ真価を発揮すると断言する。
可能であれば、池袋のグランドシネマサンシャインと109シネマズ大阪エキスポシティで実施されている「IMAXレーザー GTテクノロジー」での鑑賞をおすすめしたい。そちらで観ると多くの場面で画面比率が1.43:1まで上下に拡張(最大40%増)し、視野いっぱいにまで映像が広がるため、没入感がさらに高まるからだ。
作品そのものもすでに絶賛の嵐となっており、映画情報サービスIMDbでは8.4点、Rotten Tomatoesでは90%の批評家支持率を獲得している。何も予備知識がなくても「すごいものを観た」という満足感は得られるだろうが、古典となっている原作小説や、以前の映画作品がいかにカルチャーに影響を与えたかなど、「歴史」を踏まえるとさらに面白く観られる内容でもあった。作品の特徴を踏まえつつ、その理由を記していこう。
固有名詞は多いが、実はわかりやすい貴種流離譚
あらすじを簡単に紹介しよう。時は10191年、少年ポールは家族と共に砂の惑星へと移住するが、そこでは凶暴な一族と皇帝が手を結び、ポールたちを亡き者にしようと企んでいた。重要な資源を巡る権力争いは激化していき、やがてポールは全宇宙から追われる身となってしまう。
序盤は固有名詞や登場人物が立て続けに出てくるため面食らう方もいるかもしれないが、メインの物語は1人の少年が逃亡するも英雄へとなっていく、わかりやすい「貴種流離譚」だ。固有名詞は最低限、アラキス=舞台となる砂の惑星、アトレイデス=主人公ポールたちの一族、ハルコンネン=邪悪な陰謀を企む一族、フレメン=砂の惑星に住まう先住民、スパイス=重要な資源、と頭に入れておけば大きな問題はないだろう。
その過程では、現実の世界の写し鏡のような社会的モチーフが盛り込まれており、人間の愛や忠誠心などのドラマも描かれ、いくつものレイヤーが重なっているような奥深さがある。ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督は本作を心理スリラー映画、アドベンチャー映画、戦争映画、ラブストーリー映画、主人公が大人になる過程を描く映画でもあるとも語っており、確かにSF以外のジャンルもたくさん盛り込まれた贅沢な内容になっている。母と息子、父と息子の関係性も、とても感情移入がしやすいものだ。
そして、終盤では冒険物語としてのエンターテインメント性がグッと上がり、序盤で提示された伏線が次々に回収されていくカタルシスもある。1つの作品として「面白い」ことも、断言しておこう。
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