『家、ついて行ってイイですか?』愛した人は生き別れの双子だった。彼氏と兄弟を同時に亡くした女性の自宅は
#テレビ #家、ついて行ってイイですか?
ゴミ屋敷に飾られた今は亡き元カレの写真
続いても過去の放送分から。ドラマ版『家、ついて行ってイイですか?』で馬場ふみかが演じたエピソードだ。
深夜の新宿でスタッフが声をかけたのは30代の女性。「タクシー代をお支払いするので家、ついて行ってイイですか?」と打診すると「マジで言ってんの? ゴミ屋敷とかよくテレビ出るじゃん。私から言わせると甘いよ。服とかゴミ山で足の踏み場がないのよ。そんな家に入れる?」と彼女は返答した。そんなことを言われると、余計に家が見たくなるのだが。
というわけで、高田馬場にあるという彼女のマンションへお邪魔することに。ちなみに、この女性は当時無職。しかし宅建士の資格は持っており、たまたま休職中のタイミングだったようだ。
そんなこんなで、ついに噂のマンションへ到着。ハードルは上がりきっているが、実際はどうなのだろう? ……マジだ。前評判通りの荒れっぷり。ゴミや服や下着がひどい状態で散乱している。何かの事件現場のような様相。ゴキブリ不可避の1Rだ。スタッフはタクシー代じゃなく、清掃代を出してあげればよかったのでは? 部屋を貸す側の宅建士なのに、部屋をよくこんな風にできちゃうな……。
「安全地帯はここのみなんです」と彼女が胸を張るベッドを見ると、あちらこちらにシミがある。ベッド上で食事をするから、シーツに汁がこぼれてしまうらしい。しかも、食後の紙パック類はそこら辺へ放りっぱなし。冷蔵庫を開けると賞味期限切れの食品ばかりだし、なのにそれを口にしてお腹を壊す始末である。しゃべる彼女の口内を見ると、上のほうは奥歯がほとんど残っていない。コップを持った手は小刻みに震えている。だらしないというレベルじゃなく、セルフネグレクトに見えるのだ。
そんな極度のゴミ屋敷の中、不自然に飾ってある一枚の写真をスタッフは発見する。7年前に付き合っていた元カレの写真のようだ。
「なんで飾っているかっていうと、死んじゃったんですよ、コレ。だから忘れられず、今でも飾っている感じです」
ただの元カレじゃない。二人は誕生日が一緒だった。
「私は5月8日が誕生日なんですけど、この子も5月8日が誕生日。本当は同い歳で一緒に歳をとるはずだったけど、彼は31歳になる前に死んじゃった感じです」
出会いは友人経由だった。友だちの彼氏の親友が、件の元カレであった。誕生日が一緒だった二人。その後、どうして別れてしまったのだろう?
「同じ歳で、同じ地元で、同じ誕生日ですよ。これ、何だと思います? 運命だと思いますよね。私たちも最初はそうやって浮かれてました。何て言ったらいいんだろうなあ……血縁」
元カレは、生き別れの双子だった。小さい頃、彼女は親に引き取られ、元カレは子どものいない夫婦に育てられ、成長してから二人は再会した。そして、元カレは女性の実家に招待される。そこで彼女の両親の名前を知り、彼はピンと来てしまった。
「びっくりしたけど、『ああ、やっぱり』とも思いました。彼氏としても好きだったけど、もっと自分のことを好きなように相手を好きだった。やっぱり、離れられなかったですよ。でも、戸籍上は問題ないのかもしれないけど倫理上は問題があるので。それが苦で(元カレは)自殺しました」
好きな人と兄弟を同時に亡くした、つまりそういうことになる。ゴミ屋敷の理由の一つに「思い出が捨てられない」という要因があると聞く。彼女もそれなのだろうか? それとも、何をやる気力もなくしてしまったのか?
『家つい』が過去VTRを再放送する場合、追加取材をし、現在の境遇が判明するケースは多い。だが、今回はそれがなかった。愛した人が双子で、それを苦に相手は自殺した。今、彼女が前を向いて生きているのかが知りたかった。元気なのだろうか。
この日の『家つい』は、夕方6時半~10時まで放送の3時間半SPであった。そして、10時からはTBSで『水曜日のダウンタウン』の“おぼん・こぼん仲直りプロジェクト”が始まった。ドキュメンタリー系バラエティが続く4時間半だったのだ。話し合いの場が持たれたわけではないはずだが、局の垣根を越えた濃厚な繋ぎだったと思う。
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事