『キングオブコント』でニューヨーク屋敷も被害に? SNSのDMで繰り広げられる、表に出ない“誹謗中傷”騒動
#キングオブコント #SNS #ニューヨーク
10月2日に放送された『キングオブコント2021』(TBS系)で、決勝進出10組中10位という悔しい結果となってしまったお笑いコンビ・ニューヨーク。10月10日に公式YouTubeチャンネルで配信された『ニューヨークのニューラジオ』では、ツッコミ担当の屋敷裕政が審査員の松本人志に噛み付いたことに対して、ネットユーザーから苦情が入ったことを明かした。
トップバッターの蛙亭から高得点が続いた今年のキングオブコントで、松本はニューヨークのネタ前に「もうウケんなと思ってしまう」と審査の難しさを吐露。その後、点数が振るわなかったニューヨークの屋敷は、松本に対して「松本さんが『みんな笑うな』と言ったからや」「あれは不正行為です」と噛み付いた。それに松本が「漫才でもできるネタだった」と評すると、「あのネタをM-1でやったら点数入れてくれのか」と、さらに吠えたのだ。
屋敷は『ニューラジオ』で、キングオブコント後に200~300件ものDMがきたと報告。そのなかで4件ほど「お前の態度は、なんだあれは?」と怒りの内容のものがあったという。
さらに屋敷は、その怒りDMの送り主が「2児の母ですとか、子供とバリバリバーベキューしてる写真めっちゃ上げてるお父さんとか」だったことを明かした。これまでは、「非リア充すぎる」ネットユーザーが、「芸能人とかコイツら浮気しやがって腹立つな。悪口書いてやれ」とネットで誹謗中傷をしているイメージだったという屋敷だが、実際には“リア充”なネットユーザーからの怒りのDMがあったことを受けて、一種の“正義感”から批判的な意見が送られていたことを実感したという。
有名人が炎上する場合、SNSやYahoo!ニュースのコメント欄に匿名のネットユーザーから誹謗中傷が投稿されることが多いのは事実。しかし最近は、屋敷が体験したように、インスタグラムなどのDMに直接批判的な意見が寄せられるケースも多いという。大手ニュースサイトに関わるメディア関係者はこう話す。
「ネット炎上が社会問題化しているということもあり、『炎上はよくない』という考えが定着しつつあります。その一方で、それこそ“正義感”から生まれた怒りをDMなどで有名人に直接ぶつける事案も増えているんです。批判的な意見を送るネットユーザーとしては、DMなので表に出る意見ではないし、自分のメインアカウントを使ってある程度は身元も明かしているということで、『これは誹謗中傷ではない、正当な意見だ』という感覚が強い。その結果、誹謗中傷とほとんど変わらないような悪辣な意見が、有名人に送られることも少なくないのです」
2020年4月には、東野幸治がYouTubeのラジオ番組『東野幸治の幻ラジオ』で、インスタグラムでDMを送ってきた、あるクレーマーとのやり取りを明かしたこともある。
「屋敷さんも東野さんも、芸人だったということもあり、自分で“ネタ”にすることができたわけですが、声優や女性アイドルの場合、批判的なDMを“ネタ”にすることはなかなか難しい。そういったDMで病んでしまうアイドルも少なくないんですよね。たとえば今年9月には、ハロー!プロジェクトのつばきファクトリーのメンバーに対して、一部のファンから心ないDMが届いているということで、事務所サイドが配慮をお願いするという事態もありました」(同)
しかし、そういう批判的なDMを抑えるのは、簡単なことではないという。とあるアイドルグループ関係者はこう話す。
「意見を送っているファンの人は、純粋な“正義感”や“優しさ”から行動していることが多く、『送るな』といってもなかなか理解してもらえない。それこそ『メンバーのための意見だ』『アドバイスだ』という感覚があるようで、応援コメントも批判コメントも同等に考えているんですよね。あと、特典会やライブ会場など、アイドルと直接顔を合わせる場面では本当に紳士的なのに、DMでいきなり高圧的な意見を送ってくるという人もいます。ネット上であれば、厳しい意見を言ってもいいと思っているのかもしれないですね」
また、DMで厳しい意見を送ってくるファンは、圧倒的に中高年が多いとも言われている。
「ネットリテラシーの問題なのかもしれません。幼い頃からネットやSNSが身近にあった若い世代は、現実とネットが地続きになっていて、そこをあまり区別しないで行動できる傾向にあります。だから、現実世界で面と向かって言えないような内容をDMで送ることには当然、抵抗感がある。一方、大人になってからSNSに触れるようになった中高年の一部には、現実とネットを区別していて、『現実ではNGな行為も、ネットではOK』という偏った考えをしている人も多い。そういった人々に理解してもらうのは、本当に大変なことでしょう」(前出・メディア関係者)
見えないところでも起きている有名人の炎上騒動。この問題を解決するには、若い世代ではなくむしろ中高年のネットリテラシー教育こそが必要なのかもしれない。
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