マヂラブのネタ一般的には微妙な評価も一歩違えば決勝進出もあった?
#キングオブコント #吉松ゴリラ
空気階段ネタはコントのすべてが詰まっていた!
空気階段「SMクラブでの火事」
火事が起こったSMクラブ内から、脱出する二人のコント。キングオブコント史上最高得点を叩き出した、歴史的なコント。5分の持ち時間を脂身だけで埋めた、超濃厚なネタ。起承転結がコース料理のそれではなく、全てがメイン。
「緊張感のある状況に、バカバカしいキャラクターが登場するコント」ではなく「バカバカしい状況によって、緊張感のあるキャラが滑稽に見える」というコント。
このコントでは緊張感のあるキャラが発する「“真剣なセリフ”がおもしろい」となるため、ネタ中ツッコミが入るようなボケセリフはほとんど存在しない。
結果、中盤以降は真剣なセリフを言い合うダブルボケ状態になる訳だが、逆にいうとほとんどツッコミを放棄しているため、ボケセリフ単体で笑いを完結させなければならない。これを実行するには、細心の注意を払ったセリフ回しと、土台となる前後のフリ作りが高いレベルで必要。
バラシボケの置き所も秀逸。ひとつ目の消防士設定のバラシをした後、一旦その状況のおもしろさを十二分に伝えている。そこから展開を入れ、更にテンドンの形で警察設定のバラシを行っている。ここでツカまれた芸人も多いはず。
設定の笑い・セリフの笑い・パンストを使った体の笑い。視覚と聴覚全てを楽しませた、コントの全てが詰まっていたコント。
マヂカルラブリー「コックリさん」
コックリさんを行う高校生2人のやりとりを描くコント。
そいつどいつが「日常設定でホラーなボケを見せる」コントに対して、このコントは「ホラー設定でバカバカしいボケを見せる」ネタ。
心霊現場で「コックリさんが降りてきた」という緊張状態から、コックリさんに関節を極められたり、肛門に指を入れられたりという落差の作り方が秀逸。
心霊現場の緊迫感を活かした上でのドタバタ劇はもっと評価されても良かったはずだが、審査員から出た「つり革のネタと、一緒といえば一緒」という言葉は、視聴者の多くも同様の意見だったよう。
この言葉が指すところは、「だから集中できなかった」ではなく「だから、ボケの動きのおもしろさが薄れて見えた」という事に繋がる。「つり革ネタ」が披露されたのはほぼ一年前で、いまだにリフレインされるインパクトの強さは名作であるが故だが、今回はマイナスに働いてしまったよう。
しかしこのような印象はマイナスに働く事もあれば、プラスに働く事もあり「つり革ネタ」をフリにした「いやだからそれ、つり革と一緒じゃん!」を笑いに変える事が狙いだった可能性も考えられる。もし笑いに変わっていれば、ファイナルステージ進出もあり得たネタ。
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事