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『関ジャム』藤井風のルーツは古いジャズと90年代のR&B、そして日産スタジアムでカバーしたマイケル・ジャクソン

『関ジャム』藤井風のルーツは古いジャズと90年代のR&B、そして日産スタジアムでカバーしたマイケル・ジャクソンの画像1
『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日系)Twitter(@kanjam_tvasahi)より

 10月3日放送『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日系)は「音楽史に語り継がれる伝説のライブ」特集だった。

現地のファンだけでウェンブリーを満員に埋めたBABYMETAL

 最初に紹介されたのは、20万人を動員した「GLAY EXPO ’99 SURVIVAL」。幕張が(物理的に)揺れたライブだ。オーディエンスは20万人で、スタッフは2,000人。日本でこの動員数が破られることはもうないと思う。場所は、幕張メッセ駐車場特設ステージ。メッセには車で行く人も多いだろうに、もう最初から停められない。それにしても、当日の会場はどうなっていたのだろう? 最後尾のお客さんは何も見えないだろうし、トイレはきっと大行列だったろう。音響がどうなっていたのかも気になる。すべての面で規格外。これだけのお客さんが集まっても結果的にライブは大赤字だったという話を聞いたことがあるが、本当だろうか? 99年と言ったら、強風がステージセットに直撃して巨大な鉄塔が倒壊したLUNA SEAの10周年ライブ(お台場に10万人を動員)も伝説だ。

 マイケル・ジャクソンのライブ・イン・ブカレストも欠かせない。ステージに現れてから1分30秒以上微動だにしなかった伝説のパフォーマンスだ。静止したマイケルの立ち姿はもはや完成されたフォルム。正直、アイデアとしては思いつきそうなものだが、それに耐えられるアーティストはなかなかいないだろう。間が持つにも程がある。その後、7秒かけて首を振り、11秒かけてサングラスを外したマイケル。客席を見ると、それだけで「動いたー!」と号泣するファンや失神するファンが続出。サングラスを外した瞬間の優しい目から、曲が始まって目がキッと鋭くなる切り替えが何ともカッコいい。もう、このままブカレストを見させてほしい気持ちになってしまった。

 続いて登場したのは、BABYMETALの2016年英ウェンブリー・アリーナ公演。番組では「THE ONE」のパフォーマンス映像が流れたが、できればオープニング「BABYMETAL DEATH」による熱狂の登場シーンを紹介してほしかった。まあ、テレビで「DEATH」の連呼はさすがに難しいか……。音楽プロデューサー・本間昭光はベビメタの功績を称賛する。

「世界で勝負するという意味で音楽が一番遅れてると思ってたんですよ。スポーツや映画は世界でドンドン評価されているけども、日本の音楽のエンタメがウェンブリーみたいなところでちゃんと評価された。完全に現地のお客さんでびっしり入っていると聞いたときは感動した」(本間)

 現地のファンだけで会場が埋まったという点が重要、ここが快挙なのだ。ベビメタ以降、ウェンブリーでライブを行った日本人アーティストはX JAPANのみである。

 渡辺美里の89年における豪雨の西武球場ライブも伝説だ。それにしても、雨量がとんでもない。公演は中止となり、美里は「雨のバカー!」と絶叫。怒鳴り声でさえいい声なのはさすがだ。今年のフジロックでMISIAが叫んだ「コロナのバカヤロー!」に先駆けること32年前の話である。この絶叫の流れからアカペラで歌い出す「My Revolution」は、歴史に残る名演。ファンとともに名曲を歌い上げる一体感はたまらなく恍惚だったはずだ。この状況について「雨は伝説を起こしやすい」と本間は解説したが、納得である。台風が直撃した第1回フジロックは確かに今も語り草だ。

 これらの伝説的ライブの中、DJ松永が紹介した2002年のDJ Swampのパフォーマンスが浮きまくっていた。油に突っ込み、火を点けた手で行うDJプレイ。またたく間に塩化ビニールが溶けてるし、熱すぎて手をブンブン振ってるし、手に油を吹いてヨガフレイムをかましてるし。意味合いは、ジミ・ヘンドリックスのギター燃やしみたいなもの? しかも、燃えたレコード盤を次々と客席に投げ入れる暴挙。キャベツを千切りにして客席に投げ入れるパフォーマンスがお馴染みのロマンポルシェと類似性を感じた。こんな破壊性、アナーキーさをピックアップするのなら、ユンボで観客席になだれ込んで都立家政スーパーロフトを破壊したハナタラシのライブも紹介してほしかった。

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