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すぎやまこういちを堀井鳥山も追悼…500曲以上のドラクエ音楽担当、RPGにオーケストラをもたらし伝説へ 

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 日本を代表するRPGのひとつ『ドラゴンクエスト』シリーズの作曲家としてゲーマーにもなじみのあるすぎやまこういちが、去る9月30日に死去したことをスクウェア・エニックスが10月7日に発表。90歳で亡くなったすぎやまの死因は、敗血症性ショックだった。

 1931年4月11日に生まれたすぎやまこういちは、音楽大学を目指すも最終的には東京大学へ進学。卒業後は文化放送を経てフジテレビに入社し、ディレクターとして活躍する。この頃から作曲活動を始め、作曲家の活動もスタート。『亜麻色の髪の乙女』『恋のフーガ』を始め、ザ・タイガースのほとんどの曲を担当する。また、中山競馬場のファンファーレもすぎやまの作品のひとつだ。

 退社後、作曲家としての道を進むことになる。ゲーム音楽との関わりは、80年代半ば頃から。すぎやまこういちを語る上で切っても来れない『ドラゴンクエスト』の作曲を最初に担当したのは、86年のことだ。同タイトルの大ヒットを受け、すぎやまはこれ以降ゲーム以外の仕事を減らして、ゲーム音楽の作曲家としての活動に本腰を入れる。

 今でこそ当たり前となっているが、ドラクエ発売当時、オーケストラ風のBGMはかなり珍しく、採用された作品はほとんどなかった。

 しかし、結果的にドラクエのファンタジーの世界観に深みを与え、ゲームにマッチした音楽として高く評価されたことはご存じだろう。この成功で、その後すぎやまはドラクエのほとんどの曲を担当し、その数は500曲以上と言われている。

 また、ドラクエの曲といえば、今年行われた東京オリンピック開会式が思い出される。57年ぶりに東京開催となったオリンピックの開会式で、多数のゲーム音楽が採用されて話題となった。

 その中で最も良かったと感じた楽曲について、ドラゴンクエスト『序章:ロトのテーマ』を挙げる人が、71.1%という圧倒的支持率となった。まさに国民的ゲームの代表音楽といえる結果だ。また、ゲーム音楽といえば、『風来のシレン』シリーズでもすぎやまの音楽が採用されている。

 こういった活動が認められ、18年には旭日小綬章を受章、20年には文化功労者に選出されるなど、輝かしい受賞歴もある。

 今回の訃報を受けて、ドラゴンクエストシリーズの生みの親である堀井雄二も、追悼のコメントを寄せている。

 すぎやま先生の、あまりに突然な訃報を聞き本当に残念でなりません。
 ドラゴンクエストを作って35年、その世界に、すぎやま先生は音楽という命をずっとふきこんできてくださいました。
 宣誓には本当に 素晴らしい楽曲を いっぱい書いていただきました。
 これからもドラクエは、宣誓の音楽とともにあります。
 ユーザーのみなさんの心の中に 先生は生き続けるはずです。
 すぎやま先生 長い間 本当に ありがとうございました。

 キャラクターデザイン担当の鳥山明からも「ドラゴンクエストのイメージは、当時からゲームが大好きでいらした、すぎやま先生の素晴らしく印象的な数々の名曲によって決定付けられた」との追悼コメントが。

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 今年35周年を迎えたドラクエシリーズ。この歴史の中にすぎやまが残した作品は偉大だ。

辻 英之(編集者)

起きてる間が営業時間のプロ編集者。ゲームメディアの編集長、IT企業での経験を活かし、デジタルエンターテイメント分野記事を中心に寄稿中。ビジネスジャーナルでは『オレの周りはゲームばかり』を連載中。

つじひでゆき

最終更新:2021/10/07 20:00
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