キングオブコント2021を「ド頭すごい出だし」にした、伝説の前説芸人
#テレビ日記
テレビウォッチャーの飲用てれびさんが、先週(9月26~10月2日)に見たテレビの気になる発言をピックアップします。
もう中学生「4年好きだった方がいまして」
川島明(麒麟)は、その人の芸風を「自然現象」と呼んだ。唯一無二のダンボール芸で再ブレイク中の、もう中学生に対するコメントだ。川島はさらに続けてこうも述べた。
「人を傷つけない笑いっていうのが最近のトレンドですけども、人を傷つけるどころか、人をどうしたくてこのネタを作ったんだろうっていう。趣旨がわからないですね」(29日『お笑い王者が激推し!最強ピンネタ15連発』フジテレビ系)
そんなもう中学生が、27日の『しゃべくり007』(日本テレビ系)にゲスト出演。自身の半生や、再ブレイクのきっかけなどを振り返っていた。芸人になったきっかけ、大家さんとの関係、初めての炭酸など興味深い話が多かったのだけれど、ここでは10年以上前の、彼が世間に注目される契機となった出来事を紹介したい。
もう中が24歳のときのこと。彼には心に思っていた人がいたという。
「4年好きだった方がいまして。メールのやり取りもしてたんですけども。告白はしてなくて。それでちょっと、しおりを作って一緒に紅葉を見に行こうって誘いまして」
しかし、待ち合わせの駅に待っていたのは、彼女とその彼氏だった。2つ用意してきた自作のしおりを、2人に渡したもう中。しおりに記したコースが夜までだったので、そのまま夜まで3人で回ったらしい。
その後、もう中は失意のなか1人で自宅に戻った。2日後にお笑いライブの出演が予定されていた。しかし、ネタができる気分ではなかった。そこで思いついたのが、自分が前に出ないネタだったという。
「あ、いいこと考えた。ちっちゃい鳥を作って、ダンボールの上で鳥に会話させて、それで自分は表に出ないでおこう。で、鳥に全部会話させて、『どうも、ありがとうございました』って1分ネタをやった」
そのとき、たまたま今田耕司がライブを見に来ていた。新年に放送される『さんまのまんま』(フジテレビ系)で、今田が若手芸人のネタを明石家さんまにプレゼンする毎年恒例のコーナーがあるが、そこで紹介する若手を探しに来ていたのだ。今田のお眼鏡にかなったもう中は、2008年の『さんまのまんま』に出演。最初のブレイクのきっかけをつかんだ。
もう中学生の「自然現象」のようなネタのバックグラウンドに、こんな悲恋の物語があったとは。人生の幸不幸は予想しがたい。何が幸せに転じるかわからない。人間万事塞翁が馬。人間万事塞翁がダンボール鳥。
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