トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > キングオブコント2021、元芸人が全13ネタ一気レビュー!
恒例・元芸人が渾身の全ネタ分析!

キングオブコント2021、1stステージが大盛り上がりだった分決勝が尻すぼみ? 全13ネタ一気レビュー!

ファイナルステージが少し尻すぼみだった?

 今大会を振り返って思うのは、審査員を若返らせたことにより、大会参加者との関係性が濃いものとなり、そのために点数が入ったり、入らなかったりがあったのではないかという疑念が湧く場面があった。人となりを知らずとも純粋にネタ自体に点数を入れてほしいと思う。もちろん気のせいかもしれないが。

 それとネタ自体、ファーストステージのほうが盛り上がった。

 笑いに対する慣れもあったのかもしれないが、僕が思う大きな違いはネタのシステムだ。

 ファイナルステージへ進出した3組のネタを見て欲しい。

・男性ブランコはベタな大阪人の女性と狂喜乱舞する男性。
・ザ・マミィは変わったおじさんとそのおじさんに道を聞く変わった青年。
・空気階段はSMクラブに通う2人。

 つまり変な人と変な人が関わり合うネタだ。それがファイナルステージになると3組中2組、男性ブランコと空気階段がボケとツッコミがある安定したネタに変更した。

 さらにもう一組のザ・マミィもネタ自体に、ファーストステージほどの変な人は現れなかった。

 もしかしたら3組ともファイナルステージは安定したネタのほうが良いと判断したのかもしれないが、今の時代、笑いはボケやツッコミがなくても視聴者は笑う。

 それより大切なのは少し変わった人間でも受け入れる世の中になったこと、誰かが誰かを助けたり、偏見なく恋をしたり、人を信じる大切さを教えてもらったり、そういう心が熱くなるストーリーを求めているということだ。

 笑いの間口は広がり、笑うという事だけが笑いではなくなった。テレビは規制がきつくなる一方で、ネタは無限の可能性を秘めている。

 ネタにはいつの時代でも夢がある。芸人ドリームが。

檜山 豊(元お笑いコンビ・ホームチーム)

1996年お笑いコンビ「ホーム・チーム」を結成。NHK『爆笑オンエアバトル』には、ゴールドバトラーに認定された。 また、役者として『人にやさしく』(フジテレビ系)や映画『雨あがる』などに出演。2010年にコンビを解散しその後、 演劇集団「チームギンクラ」を結成。現在は舞台の脚本や番組の企画などのほか、お笑い芸人のネタ見せなども行っている。 また、企業向けセミナーで講師なども務めている。

Twitter:@@hiyama_yutaka

【劇団チーム・ギンクラ】

ひやまゆたか

最終更新:2021/10/05 19:32
1234567
ページ上部へ戻る

配給映画