キングオブコント2021、1stステージが大盛り上がりだった分決勝が尻すぼみ? 全13ネタ一気レビュー!
#キングオブコント #空気階段
10月2日に開催されたキングオブコント2021。過去最大のエントリー総数3015組の中から、審査員5人体制以降、歴代最高得点という名誉と共に、空気階段の優勝で幕を閉じた。
8時間にわたってさまざまなお笑い番組が放送されたTBS“お笑いの日”の中で開催されたキングオブコント。今までの大会との違いや傾向を、元芸人目線で分析していこう。
ルールの変更点は、どう影響したか?
開催前からニュースになっていた点は大きく2つ。
一点目は大会14年目にして行われたルール改定。プロの芸人による即席ユニットの参加が許可されたのだ。
以前のコラムでもチョコンヌについて触れたが、人気や実力のある芸人がユニットを組んだら若手のチャンスが奪われるのではないか、と物議をかもした。
が、結局ユニット勢は一組も決勝へ進出することは出来なかった。さすが日本一のコント芸人を決める大会。人気があれば決勝に行けるというわけではない。一朝一夕ではどうにもならないという事が証明された、と僕は思う。個人的にはこのルールが来年以降どのように変化し、どのような効果をもたらすのか見ものである。
二点目は、松本さん以外の審査員の一新。しかも新審査員は放送当日に、さまざまな番組で一人ずつ発表されると。
ネットやSNSではさまざまな予想が飛び交い、中でも多かったのは、前審査員のさまぁ~ずさんやバナナマンさんより芸歴の浅い人間、もしくはキングオブコント歴代優勝者という声。僕としてはM-1同様、長年コント師として生き、コントへ貢献してきた大御所の選出を期待していた。大御所たちが今のコントを見て何というか、どう見るのかを知りたいという気持ちがあったが、ネットの予想通り、かまいたち山内、バイきんぐ小峠、ロバート秋山、そして東京03飯塚と歴代の優勝者たちだった。
飯塚さんは僕が芸人をやっていた頃、よくライブでご一緒した身近な存在だ。壁に向かってネタ合わせしている姿も、暗い廊下でオーディションを待っている姿も見て来たので、審査員のトリで登場する姿は良い意味で違和感があった。ネタをやる側ではなく、人を審査するほうの年代になったのかと。
審査員とともに参加者も若返える必要がある。
なぜなら審査する側とされる側には、多少でも芸歴の差がある方が優勝の価値は大きい。他の番組で両者が同じひな壇に座っていたり、いくら優勝経験があっても先輩のネタに後輩が点数をつけてコメントを述べる姿は視聴者にとっても違和感になるだろう。そう考えると参加者で一番芸歴が長いジェラードンでも13年である。多少遅咲きかもしれないが、審査員とのバランスは見事に取れている。意図的かどうかはわからないが。
さて大会の大枠の話はこれくらいにして、決勝進出者を一組ずつ分析していこう。
※次ページからはネタバレが含まれます(以下、敬称略)。
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