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日刊サイゾー トップ > エンタメ  > マヂラブ「漫才師とかコント師なんて職業は存在しない」

マヂカルラブリーが「漫才師とかコント師なんて職業は存在しない」と考えるワケ

題材選びの肝は「リスペクトとくさしのブレンド」

マヂカルラブリーが「お笑い芸人」を名乗る理由――漫才師もコント師も本当は存在しない「面白いヤツだったら、どっち作ってもよくないですか」の画像3
池ノ谷侑花

――今回の単独は配信がありませんでしたね。

野田 単純に配信できないネタが多くて、できなかったんです。

――コントだとより危ない方向に行こうという意識があるんですか?

村上 いや、それはないですね。
野田 逆に「これ引っかかるの?」の連続ですね。面白いコントはたいがい著作権に引っかかることが多くて、ただ題材にしただけであれこれ言われるなとは思います。そこの問題を抜けてから「キングオブコント」に出られるようになった感じです。

――過去には、予選でウケたネタが運営からNGを食らったこともあったようで。

野田 準々決勝で通ったネタが「テレビでできないからネタ替えられる?」と言われたんです。
村上 それは権利関係ではなくて、コンプライアンスの問題でした。
野田 殺人ピエロよりも狙われた子どものほうがやばかったというネタで。
村上 別に殺すような描写もなかったんですけどねえ。
野田 夢ある話じゃないですか? 殺人ピエロよりも子どものほうが強いって。
村上 子どもの命助かってますし。

――そう言われるとたしかに……。先日の単独ではラッパー2人の愛憎関係を描いた「ZeebraとKj」が傑作だと思ったんですよ。コントというかドキュメントというか。

野田 あれは“考察”ですね。
村上 明かされない事実をただ想像でつないでいるだけです。

――ほかにも「最強ラッパー村上」「平成ラッパー合戦ラパパ」など、ラッパーのネタが多いのは理由があるんですか。

村上 2人ともあの頃のラップが、面白いというか好きというか、「なんだったんだろう?」と。
野田 すごいメジャーになった頃のラップが、いい意味でクソダサかったんで。お笑い芸人を目指したヤツが、あの時代をネタにしないわけがない。その感覚が今も残ってますねぇ。ニューヨークのDragon Ashネタも同じだと思いますよ。
村上 メジャーになれない本物とメジャーになってしまった偽物との歪みが面白いんです。

――めちゃくちゃ言語化されてますね! 昔のヒップホップシーンだけでなく、近年のMCバトルもネタにしてるのは?

村上 「MCバトルってなんなんだ」というのがまずありますね。流れでケンカになるならともかく、大人が集まって文句を言い合うことが主目的になっているのがよくわからない(笑)。
野田 僕はゲーム好きなんで、MCバトルを種目とするのであれば、攻略法を考えちゃうよというネタかもしれません。相手の言うことを聞かないのはダメって言われてないし、必勝法あるじゃん! という。ルールの決まっていないものができあがった瞬間に、芸人はヨダレ垂れちゃいますね。

――ラップ然り、コントで取り上げる題材はすごい好きか、すごい嫌いかのどちらかだと思ってました。

村上 好きは好きです。聞きますし。初めて買ったCDがスチャダラですし。
野田 キングギドラ歌えますし。
村上 だからリスペクトをこめていじらせてもらってます。本当にバカにはできないというか。
野田 嫌いなものは触れもしないですからね。

――野田さんが村上さんの影を演じる「シャドウ」や、2018年の「キングオブコント」決勝で披露したループものなど、二次元的な設定も多いですよね。あれはアニメやゲームの好きな世界観なんですか。

野田 好きなんですけど、くさしたくなるんですよね。今だと異世界転生ものとか、「なんだ転生って? 説明もないじゃん」って。俺らの世代だとループものがはやりすぎて。
村上 多すぎました。
野田 ネタつくるときに一番テンション上がるのは、そういう物事をくさすときなんですよ。知識量が多いから作りやすいのもありますし。リスペクトとくさしがいいバランスでブレンドされてるときはいいネタができやすい。ラップもそれですね。

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