トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > 社会  > 定年後の「のんびりと豊かな暮らし」は幻想

日本で高齢者が直面する現実…定年後の「のんびりと豊かな暮らし」はもはや幻想か

定年を迎えても男性6割、女性4割は働いている

 では、その働き方はどのようなものなのか。

 高齢雇用者(役員を除く)は510万人で、高齢就業者の57.0%を占める。自営業主・家族従業者が275万人で同30.7%、会社などの役員が110万人で同12.3%となっている。

 さらに、高齢雇用者(役員を除く)を雇用形態別にみると、非正規の職員・従業員が76.5%にも上っている。このうちパート・アルバイトの割合が52.5%と最も高い。また、高齢雇用者数の推移を雇用形態別にみると、正規の職員・従業員は10年の74万人から20年の120万人と46万人と増加し、1.62倍になったのに対して、非正規の職員・従業員は10年の163万人から20年の390万人と227万人増加し2.39倍になっている。

日本で高齢者が直面する現実…定年後の「のんびりと豊かな暮らし」はもはや幻想かの画像4

 定年後の“のんびりと豊かな暮らし”などは、過ぎ去った幻想でしかなくなってしまったのだろう。今や、65歳で定年を迎えても男性の6割、女性の4割が働いている。その上、その半数は非正規雇用者だ。

 直近、6月の生活保護受給世帯は163万1669世帯で、その55.8%に当たる90万9879世帯は高齢者世帯である。

鷲尾香一(経済ジャーナリスト)

経済ジャーナリスト。元ロイター通信の編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで様々な分野で取材・執筆活動を行っている。「Forsight」「現代ビジネス」「J-CAST」「週刊金曜日」「楽待不動産投資新聞」ほかで執筆中。著書に「企業買収―会社はこうして乗っ取られる 」(新潮OH!文庫)。

記事一覧

Twitter:@tohrusuzuki

鷲尾香一の ”WHAT‘S WHAT”

わしおこういち

最終更新:2021/09/29 18:00
12
ページ上部へ戻る

配給映画