911から20年…アメリカ市民の英雄だったジュリアーニ市長の目も当てられない現在に「大バカ者」と嘆きの声
#スタンダップコメディ #Saku Yanagawa
ジュリアーニは「Clown」の意味
スティーブン・コルベアはこの映像を参照しながら、「これって9・11の式典なんだよな? しかも当時の市長の。なんてザマなんだ。もっとこの続きが観たかったら、ネットフリックスの最新作”Clown”っていうのを観てくれ」
そう言うと、王冠(Crown)を被ったジュリアーニの姿が映し出された。ナイトの称号を手にしたまさに「クラウン」を冠るジュリアーニ。彼の真似した「イギリス英語」ではLとRの音がアメリカ発音に比べ大きく区別されない。そして、「Clown」というのは「大バカ者」を意味するスラング。9・11の式典という場にふさわしくない場違いなスピーチを、偽アクセントで、それも酩酊状態で行った「大バカ者」のナイトを揶揄するジョークに会場も唸った。
悲劇から20年、「世界の市長」と呼ばれた英雄も、すっかり変わってしまった。アメリカだって大きく変わった。これからの20年、アメリカが、そして世界がどの様に変わっていくのかは誰にもわからない。
20年前テロの直後、コメディ番組が放送自粛する中、失意の国民に向けて、ジュリアーニはこう呼びかけた。
「さぁみんな、もう笑っていいんだ!」
そして多くの番組が再開されていったことを、多くのアメリカ人は覚えている。
あの日、失意のアメリカを「笑い」がたしかに救ったように、コメディアンができることもあるかもしれない。
<スティーヴン・コルベア>
サウスカロライナ州出身のコメディアン。シカゴの名門コメディ劇団セカンドシティでデビューするとその皮肉交じりの知的なジョークで人気を博し、ニュース風刺番組『デイリー・ショー』にレギュラー出演。その後も多くの番組にライターとして参加し、2014年CBSの帯番組『ザ・レイト・ショー』の司会に抜擢されると、切れ味抜群のコメントと、ウィットに満ちたジョークで国民的コメディアンに。
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