『チコちゃんに叱られる!』コロナ禍は、人間の繁殖アピールを阻む由々しき時代か?
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湯呑みも香炉も燭台も、全部「茶碗」でよかった
この日最後のテーマは、「なんでご飯を入れる器をお茶碗っていうの?」というもの。回答者は、相手もいないのに結婚前から夫婦茶碗を買っていた岡村……ではなく、池松が指名された。「食べ終わった後に水やお茶を入れてお茶漬けにするから」と回答した池松であったが、どうやらこれは不正解。チコちゃんが発表した正解は「焼き物の器はどんなものでも『お茶碗』と呼ばれていたから」だった。どこで作っても陶器を「瀬戸物」と呼ぶのと同じようなもの? 確かに、「ごはん茶碗」という言葉もあるし。というか、『開運!なんでも鑑定団』(テレビ東京系)の視聴者ならこの正解はなんとなく納得のはずだ。
お茶碗は元来、その名の通りにお茶を飲む器としてお茶と一緒に中国から伝わってきた。お茶は身分の高い人だけが薬として口にできる高級品だったし、お茶を入れる茶碗も中国から輸入する高級品だった。それが今では、ペットボトルに詰められて自動販売機で売られているのだから隔世の感である。
その後、国内でも積極的にお茶が作られるようになり、室町時代以降は徐々に薬としてではなく純粋な飲み物として普及していった。千利休が活躍したのもこの頃だ。
こうして、貴族だけではなく多くの人がお茶を飲み、茶碗に触れるようになった。実は当時、「茶碗」という言葉には2つの意味が存在していたという。一つは、お茶を入れる器という意味の「茶碗」。もう一つが、用途や形に寄らないで焼き物全般を表す意味の「茶碗」。当時の文献を読むと、焼き物の香炉やロウソクのための燭台も茶碗と書かれているのがわかる。その他、花瓶や鉢などお茶を飲む容器以外でも焼き物であれば茶碗と呼んでいたようだ。あまりにも意味が広すぎるが、当時の人々にとって「お茶」は重要で身近なものだったため、焼き物全体を表す言葉として「茶碗」という言葉が使用されたのだと推測できる。
要するに、茶碗が焼き物全体を表す言葉だったので、ご飯を入れる器を茶碗と呼ぶ文化が生まれたということ。江戸時代以降、日本の焼き物技術は高まり、大量生産が可能になったことで茶碗の値段はお手頃になった。それまで、ごはんは木のお椀に入れて食べるのが一般的だったが、焼き物の普及によってそこにごはんを入れる人が増えていったのだ。このような変化が起こった理由として考えられるのは、ごはんのこびりつきやすさ。少しでも食べ残しがあるまま放っておくとごはんは硬くなり、器にこびりつく。一般的な木のお椀に比べ、焼き物のお椀のほうが表面が滑らかでごはんがこびりつきにくい。そのため、ごはんを焼き物の器で食べるようになり、焼き物が茶碗と呼ばれていたので、ごはんを食べる器も茶碗と言われるようになったということ。最後、お茶漬けにしたら綺麗に食べ切れるし、隙のない正解である。
なかなかに興味深いテーマだった。でも、どちらかと言うと、いつから食器以外の焼き物を「茶碗」と呼ばなくなったかのほうが興味深かったのも事実。現在、お茶を飲む容器は茶碗ではなく湯呑みと呼ぶほうが普通だし。
さて、繰り返すがこの日のゲストは池松壮亮と麻生久美子だった。言うまでもなく、2人の登場は番宣だ。17日スタートの『オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ』(NHK)の放送直前、ドラマ出演者の2人が回答者として登場。この流れでドラマ初回への期待値を高めるという狙いだったはずだ。しかし、本放送が休止になったため宣伝にならなかったという残念な結果に……。何度も言うが、本放送がこれだけ冷遇される番組も珍しいと思う。
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