西川きよし・ヘレン夫妻、前立腺がんを診断された当時を語る「異変があったら背中を押すことが大切」
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50歳以上に多く見られ、男性が発症するがんの第1位となっている前立腺がん。その理解を深め、早期発見・治療などにつなげることを目的とする「おくらせない手紙」キャンペーンキックオフイベントが、9月14日に開催された。
イベントには2015年に前立腺がんと診断された西川きよしさんと、その受診を後押しした西川ヘレンさんが登場し、トークセッションが行われた。
男性特有の臓器である前立腺にできる前立腺がん。病気の進行は遅く、発症初期は自覚症状がほとんどないが、進行すると「尿が出にくい」「残尿感がある」「夜間にトイレに行く回数が増える」「血尿」といった症状が現れ、がんが骨に転移して「腰痛」など骨の痛みを伴うこともある。
これらの進行症状を自覚しても、「歳のせい」と見過ごしてしまったり、昨今はコロナ禍の影響で医療機関の受診や医師への相談を先送りしてしまったり、症状が重症化してしまうことが懸念されている。
症状を自覚している人は我慢せずに医療機関を受診し、医師に相談することが重要とされ、同時に周囲の人からの声掛けも一歩を踏み出す後押しになる。
こうしたことを背景に、ヤンセンファーマはNPO法人「腺友倶楽部(前立腺がん患者・家族の会)」の協力のもと、医師への相談を「おくらせない手紙」キャンペーンを”敬老の日(9月20日)”より開始する。
キャンペーン開始に先駆けた本イベントでは、大阪大学大学院 医学系研究科 器官制御外科学講座(泌尿器科学)教授の野々村祝夫氏が前立腺がんとその症状について講演。スペシャルゲストとして西川きよし・ヘレン夫妻が登壇した。
「まさか自分がという感じでした。本当に前立腺がんが発見されたときはショックでガックリきました。青天の霹靂でしたね」と、診断されたときのことを振り返ったきよし。
「ほぼ1時間30分おきにトイレに行っていました。トイレからベッドに戻ってウトウトしたかなと思うと、またトイレという感じで。トイレとベッドの往復が一番辛かったですね」(きよし)とのことで、気になる症状もあったそうだが、実際に医師に相談できた要因にはヘレンさんの後押しもあったという。
「主人が60歳を過ぎた頃から前立腺肥大という病気を患っていたので、『まあ、そんなものかな』とも思ったんですけど、それにしても夜中の尿の回数がとても多くなって。トイレからなかなか帰ってこないこともあって、心配になり付き添うこともありました。だんだん症状がひどくなるので、先生に診てもらおうと言いましたね。主人が重い腰を上げて先生に相談し、針生検という本格的な検査をしました」(ヘレン)
尿トラブルなど前立腺がんのデリケートな症状の特徴も受診控えの要因のようだが、ヘレンは「男性って怖がりですからね。でも本当にあのとき、先生に相談しようって強く言って良かったなと。異変があったら声かけをして背中を押すということがやっぱり大切だと思いました」とトーク。
実際に臨床の現場で診療にあたる野々村医師は、「夫婦だからこそわかることもあると非常によく感じます。僕が診察する際はなるべく奥さんと一緒に来ていただくようにしています。それが一番正確な状況を把握しやすいんです」と語った。
ヘレンは「我慢してしまう男性も多いと思うんですけど、先生に素直になることが一番大事だと思います。私は必ず付き添って先生に主人の状態を伝えていますね。(主人は)せっかく先生に診察してもらっているのに、肝心なことをなかなか言わないで世間話したりするので(笑)」と指摘。
きよしは「男だけでは頼りないという(笑)。恐怖とか遠慮とかもあるんでしょうね」と述べつつ、ヘレンに感謝を伝えた。
「家内のように後押ししてくれるケースは滅多に聞きませんから、本当に感謝しています。経験者として僕は普段から職場とかでも周りの皆さんに検査をおすすめしていますね。実際に僕の話を聞いて(検査して)よかったという人も、何人かいます」
9月20日の敬老の日では医師への相談を遅らせないキャンペーンをスタート。手紙として送れる新聞広告を全国で掲載する。前立腺がんの情報や進行症状のチェックリストのついた紙面が、実際に投函できる手紙に変化する仕組みで、まさに“医師への相談を遅らせない手紙”となっている。また、同日に公開されるキャンペーンウェブサイトでは、オンラインでデザインなどを選びながら同様の手紙を作成可能だ。
きよしはアンバサダーとして「目いっぱい、目玉を見開いて協力させていただきたいと思います」とコメントしていた。
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