『#家族募集します』視聴者固まる衝撃展開に波紋…「子どもなのにかわいそう」「酷すぎる」の声

　最終回に近づくTBS系金曜ドラマ『#家族募集します』が9月10日放送の第7話で衝撃の展開を見せ、視聴者をざわつかせている。

　重岡大毅（ジャニーズWEST）主演の同ドラマは、それぞれの事情を抱えたシングルファーザー&マザーとその子どもらが、お好み焼き屋「にじや」の2階で生活を共にしながら“家族”となっていく心温まるホームコメディドラマ。第7話では、夏の思い出作りに海へ“家族旅行”に行ったり、それぞれの夏休みを楽しむさまが描かれた。

　注目されたのは、「にじや」の影の中心人物、お好み焼き屋店主の“おやっさん”こと野田銀治（石橋蓮司）と、母親の経済事情から旅行に行くことができずお留守番することになった横瀬大地（三浦綺羅）の2人。楽しそうに海ではしゃぐ皆をよそに、残された大地は“銀じいちゃんを独り占めする”とおやっさんから将棋を習ったり、2人で仲良く手を繋いで銭湯に行ったり、大地なりの特別な時間を過ごしていた。

　ところが、ラストである出来事が起きてしまう。夜、大地の母親のめいく（岸井ゆきの）も外出し、おやっさんと大地が2人きりで「にじや」にいるときのこと。大地が屋上でキャッチボールをしようとおやっさんを誘い、本物の祖父と孫のように楽しそうにキャッチボールを始めるが、突然、おやっさんが倒れてしまったのだ。

　確かに、おやっさんに何かあるのでは、というフラグはいくつも立てられていた。だから大地がキャッチボールに誘ったときに、嫌な予感はした。このタイミングはやめてくれ、と願ったがその通りの展開となってしまった。視聴者からもおやっさんを心配する声と共に「大地くんがかわいそうすぎるよ」「大地くんの目の前でって……酷じゃないか？」「父親には会わせてもらえなくて、母親はたまに帰ってこなくて、旅行には行けなくて、独り占めできたと思った銀じいちゃんは目の前で倒れちゃって……大地の負担がやばい」などと、大地の心を心配する視聴者が続出していた。

　『#家族募集します』に出てくる子どもたちは皆、わがままも言わずに親の気持ちを思いやり、聞き分けが良い子ばかりだが、とりわけ大地は、奔放な母親に振り回され我慢ばかりしているように見える。そんな大地に、自分が誘ったせいで倒れてしまったなどと自分を責めて欲しくはないのだ。思わず、そりゃないよマギーさん、と脚本に不満を漏らす人も多かったのではないだろうか。

　ただ、もし大地が誘っていなければ、人知れずひとりで倒れて朝まで発見されなかったなんてこともあったかもしれない。これはお年寄りと暮らす家族にとって十分に起こり得る出来事で、今こそ“家族”の絆が試されるときだ。大地の心のケアも含め、“家族”としてどう向き合い、乗り越えるのか、残る2話で丁寧に描き切って欲しいと願っている。

　最終回前話の第8話では、おやっさんの家族を名乗る女性が登場する。おやっさんともう一度暮らしたいと願う家族のために、俊平たち“家族”は解散することになるのだろうか？　楽しいシェア生活だけではない、本物の“家族”の絆を見ることができるのか、物語の行方によっては良作にも駄作にもなり得るだろう。ここからが本当の正念場、この“家族”を最後までしっかりと見届けよう。

■番組情報
金曜ドラマ『#家族募集します』
TBS系毎週金曜22時～
出演：重岡大毅、木村文乃、仲野太賀、岸井ゆきの、金子大地、小松和重、福山翔大、丸山礼 、石橋蓮司、佐藤遙灯、宮崎莉里沙、三浦綺羅　ほか
脚本：マギー
演出：福田亮介、村尾嘉昭
プロデューサー：佐久間晃嗣、岩崎愛奈、那須田淳
主題歌：ジャニーズWEST「でっかい愛」（Johnny’s Entertainment Record）
製作：TBSスパークル、TBS
公式サイト：https://www.tbs.co.jp/kazokuboshuu_tbs/

東海林かな（ドラマライター）

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

しょうじかな