【総務省】2人以上世帯の貯蓄高、2年連続増…裏から読み取れる格差の拡大
2021/09/16 06:00
#貯蓄額
40歳未満の世帯の負債高が最も多い
さて、貯蓄高で富裕層が高額の貯蓄を持っていることで、平均値が引き上げられていると指摘したが、2人以上の世帯の世帯主の年齢階級別に貯蓄高をみると、40歳未満の世帯では708万円と貯蓄高が最も少なく、60歳以上では2000万円を超える貯蓄高となっている。
同様に、負債高では40歳未満の世帯が1244万円と最も多く、年齢階級が高くなるに従って負債高が少なくなっている。また、負債保有世帯の割合は、40~49歳の世帯が66.6%と最も高く、40歳以上の世帯では年齢階級が高くなるに従って割合が低くなっている。
貯蓄高かから負債高を引いた純貯蓄額は、50歳以上では貯蓄高が負債高を上回っており、70歳以上の世帯の純貯蓄額は2173万円と最も多くなっている一方、50歳未満の世帯では負債高が貯蓄高を上回っており、負債超過となっている。(表2)
と、このように書くと、「結局、高齢者が金を持っている」という安直な結論になるが、これは大きな間違いだ。
直近の生活保護の被保護者調査では、21年6月の生活保護受給世帯数は163万1669世帯。このうち半数以上の55.8%にあたる90万9879世帯は高齢者世帯だ。高齢者の2人以上世帯でも7万2307世帯もあり、高齢者世帯の生活保護受給数は増加の一途を辿っている。
貯蓄高の高額な富裕層とは、決して高齢者に限ったものではなく、高齢者も含めて各世代全般で大きな格差があることが要因となっている。
最終更新:2021/09/16 06:00
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
11:20更新
イチオシ記事
現役ヤクザも視聴する78歳の元山口組顧問弁護士・山之内幸夫が「アウトロー系YouTuber」に大転身した驚愕の理由