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日刊サイゾー トップ > 社会  > 2人以上世帯の貯蓄高、2年連続増

【総務省】2人以上世帯の貯蓄高、2年連続増…裏から読み取れる格差の拡大

40歳未満の世帯の負債高が最も多い

 さて、貯蓄高で富裕層が高額の貯蓄を持っていることで、平均値が引き上げられていると指摘したが、2人以上の世帯の世帯主の年齢階級別に貯蓄高をみると、40歳未満の世帯では708万円と貯蓄高が最も少なく、60歳以上では2000万円を超える貯蓄高となっている。

 同様に、負債高では40歳未満の世帯が1244万円と最も多く、年齢階級が高くなるに従って負債高が少なくなっている。また、負債保有世帯の割合は、40~49歳の世帯が66.6%と最も高く、40歳以上の世帯では年齢階級が高くなるに従って割合が低くなっている。

 貯蓄高かから負債高を引いた純貯蓄額は、50歳以上では貯蓄高が負債高を上回っており、70歳以上の世帯の純貯蓄額は2173万円と最も多くなっている一方、50歳未満の世帯では負債高が貯蓄高を上回っており、負債超過となっている。(表2)

【総務省】2人以上世帯の貯蓄高、2年連続増…裏から読み取れる格差の拡大の画像3

 と、このように書くと、「結局、高齢者が金を持っている」という安直な結論になるが、これは大きな間違いだ。

 直近の生活保護の被保護者調査では、21年6月の生活保護受給世帯数は163万1669世帯。このうち半数以上の55.8%にあたる90万9879世帯は高齢者世帯だ。高齢者の2人以上世帯でも7万2307世帯もあり、高齢者世帯の生活保護受給数は増加の一途を辿っている。

 貯蓄高の高額な富裕層とは、決して高齢者に限ったものではなく、高齢者も含めて各世代全般で大きな格差があることが要因となっている。

鷲尾香一(経済ジャーナリスト)

経済ジャーナリスト。元ロイター通信の編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで様々な分野で取材・執筆活動を行っている。「Forsight」「現代ビジネス」「J-CAST」「週刊金曜日」「楽待不動産投資新聞」ほかで執筆中。著書に「企業買収―会社はこうして乗っ取られる 」(新潮OH!文庫)。

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Twitter:@tohrusuzuki

鷲尾香一の ”WHAT‘S WHAT”

わしおこういち

最終更新:2021/09/16 06:00
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