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『青天を衝け』では描かれない!?  渋沢栄一韓国侵略の象徴などネガエピソードが続々噴出

なぜNHKは渋沢栄一をテーマにしたのか疑問

 誰かにとっての英雄は、誰かにとっての怨敵だ。多くの歴史的人物がそうであるように、渋沢もまたその複眼的な視点からは逃れられないだろう。

 また渋沢が活躍した時代は、世界中で収奪がまかりとおっていた帝国主義全盛の時代だ。多くを築き上げ名声を得た歴史的人物の多くが、それと等しく他国や自国の人々から金と時間と労働力と命を奪っている。

 もちろん『青天を衝け』は“時代劇”であることを認識して楽しむべきもので、現実と重ね合わせて感化されるべきではないだろう。

 渋沢個人の評価や韓国の報道はともかく、収奪がまかり通る時代を賛美することは、現在の日本社会の格差や数々の社会問題を是認することにもつながりかねないからだ。

 そもそも彼が築いた近代資本主義や帝国主義的な経済システムは、アジアのみならず欧米を含む国際社会で否定され始めており、むしろ持続可能(サスティナブル)かつ、人に優しい資本主義が求められる時代に突入している。

 渋沢栄一を美化・批判するよりも、「政治やメディアが彼を推す理由」を考えてみるほうが、よりドラマを楽しむ材料となるのではないだろうか。

河 鐘基(ジャーナリスト)

リサーチャー&記者として、中国やアジア各国の大学教育・就職事情などをメディアで発信。中国有名大学と日本の大学間の新しい留学制度の設置などに業務として取り組む。「ロボティア」「BeautyTech.jp」「Forbes JAPAN」など、多数のメディアで執筆中。著書に「ドローンの衝撃 」(扶桑社新書) 「AI・ロボット開発、これが日本の勝利の法則」 (扶桑社新書)、共著に「ヤバいLINE 日本人が知らない不都合な真実」 (光文社新書)など。

Twitter:@Roboteer_Tokyo

はじょんぎ

最終更新:2021/09/17 12:07
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